銀座の地下に出現する「幻想の銀河」

2020/4/5 17:20 虹

 さっそく会場を見てみましょう。

 地上から地下へ続く螺旋階段を降り、ザ・ギンザ スペースの扉を開けると、そこに現れたのは眩い空間。「銀河」というタイトルから暗い部屋を想像していたので意外でした。


▲会場風景 鹿たちの頭上には、土屋さんにとって初めてとなる天体をモチーフにした作品も


▲会場風景


 山本さんの描く星雲のように渦を巻く塩の文様の中に、土屋さんが彫る鹿がひっそりと佇む様子は、先ほどまで自分がいた世界を一瞬にして忘れてしまうほど幻想的です。展覧会のタイトルである「幻想の銀河」は、砂漠の中を駱駝のキャラバン隊が旅するように、架空の星雲の中を鹿の群れが歩んでいく様子をイメージして名付けられたそう。

▲会場風景

 会場には少し高いところから見下ろせるような仕掛けがあるのですが、床と天井が鏡張りになっているため、まるで宇宙の深淵を覗いているような気持ちなることができます。これが本当にすごい! 眺めているうちに吸い込まれそうになってしまうのです。

▲会場風景


 そこにあるのは、ただただ密やかな静寂の世界。いろいろと飽和していたものがすべて流れて身が軽くなるような、久しぶりに背筋が伸ばせたような、そんな感覚を体験することができました。

 気疲れしてしまうこともあるかもしれませんが、息が詰まったら銀座の地下に広がる「幻想の銀河」へ思いを馳せてみてください。夜空に輝く春の大三角の下では、静かな宇宙が息づいています。






幻想の銀河  山本 基 × 土屋仁応
会 期:2020年4月6日(月)~ 5月24日(日)
   2020年6月2日(火)より再開・8月23日(日)まで延長となりました。
時 間:11:00~ 19:00(4/20、5/18 、6/15、7/20、8/17休館)
会 場:ザ・ギンザ スペース
   東京都中央区銀座5-9-15 銀座清月堂ビルB2F
電 話:03-5537-7825
「ザ・ギンザ スペース」  ホームページ
主 催:株式会社 ザ・ギンザ


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