銀座の地下に出現した「幻想の銀河」

2020/4/5 17:20虹

 見渡せば花々が咲き乱れ、夜空の星もそれほど寒さを感じずに眺めることができる季節になりました。本来ならば心躍るこの季節ですが、現状を鑑みると全力で楽しむことができないのが悲しいですね。

 つい暗い書き出しになってしまいましたが、ざわついた心を落ち着かせたいときにぴったりの作家がいます。



▲山本 基「たゆたう庭」 2015年 塩(Photo by em yamaguchi) / 土屋仁応「鹿」2017年  樟・水晶・彩色


 山本 基(やまもと・もとい)さんと、土屋仁応(つちや・よしまさ)さん
 言わずと知れた人気作家のため、お二人の作品をご存知の方も多いでしょう。銀座にあるザ・ギンザ スペースでは、4月6日から山本さんと土屋さんによる初めてのコラボレーション展が開催されます。その名も「幻想の銀河 山本 基×土屋仁応」
もう、タイトルからして惹かれますよね。


 山本 基さんは、塩を用いて迷路のような、あるいは波の引いた後のような文様を床一面に展開するインスタレーションで知られる作家です。2015年にポーラ ミュージアム アネックスでその作品を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

▲山本 基「原点回帰」より 2015年 ポーラ ミュージアム アネックス


 山本さんの制作のベースとなるのは、強い追憶の気持ち。時とともに薄れていく思い出を留めるために、こつこつと文様を描いていきます。展覧会が終われば作品も撤去となるため、その姿はそこでしか観ることができません。過ぎ去ってしまうけれど印象に強く残る作品は、まさに記憶を思わせます。

▲山本 基「原点回帰」より 2015年 ポーラ ミュージアム アネックス



 一方、土屋仁応さんは麒麟やユニコーンのような想像上の動物、あるいは鹿などの実在する動物をモチーフとする木彫作家です。その曲線はどこまでも静謐。加えて、清らかな色気のようなものを感じさせます。


▲土屋仁応「祝祭」より 2019年 メグミオギタギャラリー

 土屋さんの作品の魅力のひとつに、光を湛えて潤む瞳が挙げられます。無垢であり、且つすべてを見通しているようなそれは、こちらを不思議な気持ちにさせる力を持っています。




▲土屋仁応「祝祭」より 2019年 メグミオギタギャラリー


 本展は制作スタイルは全く異なるものの、詩情溢れる作風が通じ合う二人による初のコラボレーション。今回、一足早く会場に伺うことができたので、その様子をお伝えしようと思います。

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