まさに【決定版】今度の「ムーミン展」は魂を揺さぶる!
◆本場の力が集結した珠玉の作品群
フィンランドはタンペレにある世界唯一の「ムーミン美術館」。
2017年にリニューアルオープンしたこちらでは、約2,000点ものムーミンに関する作品が所蔵されています。
また、トーベが最後まで手元に残した作品などの貴重なコレクションを擁する「ムーミンキャラクターズ社」は、トーベが弟のラルス・ヤンソンとともに立ち上げたムーミンのライセンスを管理する会社です。
このムーミンの本丸ともいえる強力な所蔵元から、選りすぐりの作品が集結しているというのですから、期待は高まりますよね。
本展では小説や絵本の原画はもちろん、企業広告やアドベントカレンダー、そして「まぼろしのムーミン人形」などを含む貴重な品々によって新しい切り口でトーベの世界を味わえるようになっています。
◆ムーミンの誕生から多彩な展開までを網羅
ムーミンの物語を描くまで、トーベは風刺雑誌「ガルム」の表紙や挿画を手掛けていました。
この「ガルム」に寄せられたイラストの片隅に、時おり現れる鼻の大きな生きもの「スノーク」。彼は1945年に記念すべきムーミンの物語第1作目となる『小さなトロールと大きな洪水』にて、「ムーミントロール」として登場します。まさに記念すべきムーミンの誕生ですね!
そしてその後、『ムーミン谷の彗星』や『たのしいムーミン一家』、そしてシリーズ唯一の短編集となる『ムーミン谷の仲間たち』、最後の小説となる『ムーミン谷の十一月』など、実に9つの物語が生み出されていったのです。
しっかりと描かれた原画も、ラフなスケッチも、ひとつひとつがまるで宝石のような魅力を放っているムーミンの世界。
シンプルな線で描かれていながら切ないほどに感情が伝わってくるのは、トーベがムーミンの物語に自らの日々の想いを重ねていたからかもしれません。
本展では、一度はムーミンシリーズに別れを告げたトーベが7年の歳月を経て再び着手した絵本『ムーミン谷へのふしぎな旅』の原画とスケッチも紹介されています。
モノトーンが主であったムーミンシリーズから一変、色鮮やかな水彩の世界は画家としての本領が存分に発揮された作品と言えるでしょう。
★いまトピアート部 KINさんおすすめのムーミン小説はこちら!▶ムーミンの原作がすごい!ムーミン小説版オススメ4選
さて、ムーミンの世界は小説や絵本のみにとどまらず、舞台やアニメ、そしてグッズなどへと展開されていきます。
ヘルシンキ郊外にある小さなハンドメイド工房「アトリエ・ファウニ」によるムーミンの人形や、フィンランドの名窯「アラビア社」の食器など、世界中で愛されたムーミンはさまざまなグッズとなって人々の手に渡りました。その人気は今なお衰えることなく続いているのは、皆さんもご存知の通りです。
◆トーベと日本とのつながり 2019年は日本とフィンランドの外交関係樹立100周年。
それを記念して、トーベと日本とのつながりにスポットをあてたコーナーもあります。
日本で初めてムーミンが紹介されたのは1964年、『ムーミン谷の冬』でした。実はこのとき、物語こそトーベのものでしたが、なんと挿画を前衛画家としても知られる池田龍雄が描き下ろしていたのです。
原作の絵で紹介されたのは翌1965年、『たのしいムーミン一家』が刊行されたときのことでした。その後1969年にテレビアニメの放送が開始され、ムーミンは一躍人気者となったのです。
トーベ自身も仕事を兼ねて2度来日しており、箱根の富士屋ホテルのレターパッドを使ったスケッチが残されています。
また、トーベの作品と浮世絵との共通点に迫ったコーナーも。
「一筆書きで描ける!」をコンセプトに作られた葛飾北斎の「一筆画譜」と、トーベの来日時のスケッチ。ゆるやかで無駄のない線が似ていますね。
また、歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」と『ムーミンパパ海へいく』の挿絵は、雨の表現に共通点が見られました。
フィンランドはタンペレにある世界唯一の「ムーミン美術館」。
2017年にリニューアルオープンしたこちらでは、約2,000点ものムーミンに関する作品が所蔵されています。
また、トーベが最後まで手元に残した作品などの貴重なコレクションを擁する「ムーミンキャラクターズ社」は、トーベが弟のラルス・ヤンソンとともに立ち上げたムーミンのライセンスを管理する会社です。
▲ミイの紙製着せ替え人形 原画 制作年不詳 ムーミン・キャラクターズ社所蔵
このムーミンの本丸ともいえる強力な所蔵元から、選りすぐりの作品が集結しているというのですから、期待は高まりますよね。
本展では小説や絵本の原画はもちろん、企業広告やアドベントカレンダー、そして「まぼろしのムーミン人形」などを含む貴重な品々によって新しい切り口でトーベの世界を味わえるようになっています。
▲ハンドメイドのため、ひとつひとつ表情が異なる。そのため希少価値が非常に高い。 フィギュア ムーミンパパ(アトリエ・ファウニ)1950年代 ムーミン・キャラクターズ社所蔵
◆ムーミンの誕生から多彩な展開までを網羅
ムーミンの物語を描くまで、トーベは風刺雑誌「ガルム」の表紙や挿画を手掛けていました。
▲手前 「ガルム」1945年3月号表紙 1945年 ムーミン美術館所蔵
この「ガルム」に寄せられたイラストの片隅に、時おり現れる鼻の大きな生きもの「スノーク」。彼は1945年に記念すべきムーミンの物語第1作目となる『小さなトロールと大きな洪水』にて、「ムーミントロール」として登場します。まさに記念すべきムーミンの誕生ですね!
▲もとは弟とけんかをしたトーベが、トイレの壁に落書きしたのが「スノーク」のはじまり。
そしてその後、『ムーミン谷の彗星』や『たのしいムーミン一家』、そしてシリーズ唯一の短編集となる『ムーミン谷の仲間たち』、最後の小説となる『ムーミン谷の十一月』など、実に9つの物語が生み出されていったのです。
▲『ムーミン谷の彗星』表紙 1968年 ムーミン美術館所蔵
しっかりと描かれた原画も、ラフなスケッチも、ひとつひとつがまるで宝石のような魅力を放っているムーミンの世界。
シンプルな線で描かれていながら切ないほどに感情が伝わってくるのは、トーベがムーミンの物語に自らの日々の想いを重ねていたからかもしれません。
▲『ムーミン谷の仲間たち』「目に見えない子」スケッチ 1962年 ムーミン・キャラクターズ社所蔵
本展では、一度はムーミンシリーズに別れを告げたトーベが7年の歳月を経て再び着手した絵本『ムーミン谷へのふしぎな旅』の原画とスケッチも紹介されています。
モノトーンが主であったムーミンシリーズから一変、色鮮やかな水彩の世界は画家としての本領が存分に発揮された作品と言えるでしょう。
▲色鮮やかな絵本の世界は必見!
★いまトピアート部 KINさんおすすめのムーミン小説はこちら!▶ムーミンの原作がすごい!ムーミン小説版オススメ4選
さて、ムーミンの世界は小説や絵本のみにとどまらず、舞台やアニメ、そしてグッズなどへと展開されていきます。
ヘルシンキ郊外にある小さなハンドメイド工房「アトリエ・ファウニ」によるムーミンの人形や、フィンランドの名窯「アラビア社」の食器など、世界中で愛されたムーミンはさまざまなグッズとなって人々の手に渡りました。その人気は今なお衰えることなく続いているのは、皆さんもご存知の通りです。
▲皿、マグカップ(アラビア) 1950年代 ヨハン・スメッド・コレクション
◆トーベと日本とのつながり 2019年は日本とフィンランドの外交関係樹立100周年。
それを記念して、トーベと日本とのつながりにスポットをあてたコーナーもあります。
日本で初めてムーミンが紹介されたのは1964年、『ムーミン谷の冬』でした。実はこのとき、物語こそトーベのものでしたが、なんと挿画を前衛画家としても知られる池田龍雄が描き下ろしていたのです。
▲【少年少女新世界文学全集27 北欧現代編】1964年 講談社
原作の絵で紹介されたのは翌1965年、『たのしいムーミン一家』が刊行されたときのことでした。その後1969年にテレビアニメの放送が開始され、ムーミンは一躍人気者となったのです。
トーベ自身も仕事を兼ねて2度来日しており、箱根の富士屋ホテルのレターパッドを使ったスケッチが残されています。
▲日本滞在中のスケッチ 1971年 ムーミン・キャラクターズ社所蔵
また、トーベの作品と浮世絵との共通点に迫ったコーナーも。
「一筆書きで描ける!」をコンセプトに作られた葛飾北斎の「一筆画譜」と、トーベの来日時のスケッチ。ゆるやかで無駄のない線が似ていますね。
また、歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」と『ムーミンパパ海へいく』の挿絵は、雨の表現に共通点が見られました。
▲上 トーベ・ヤンソン 日本滞在中のスケッチ1971年 ムーミン・キャラクターズ社所蔵、下 葛飾北斎 『一筆画譜』1814年 浦上蒼穹堂所蔵