ムーミンの原作がすごい!ムーミン小説版オススメ4選。

2018/10/10 19:00 KIN KIN



ムーミンと言えばあの、ほのぼのとしたアニメ作品を想像する人が多いのではないでしょうか?ムーミンのシリーズはアニメの他にも小説、絵本、コミック、パペットアニメと様々なメディアで制作されています。そしてその中でも原作としての位置づけになるのがフィンランドの作家トーベ・ヤンソンが書いた一連の小説です。



『MOE』2018年11月号(白泉社)
[ムーミンを探してフィンランドへ/付録 ムーミンダイアリー&シール]


絵本やキャラクター系を扱う雑誌『MOE』の最新号(10月3日発売の2018年11月号)でムーミン特集をしています。付録にはムーミンダイアリー。なんと!小説の挿絵中心の構成でダイアリーを作っています。



原作小説挿絵!ムーミンの小説ファン感涙!



ムーミンの展覧会や雑誌の特集などは幾つも見ましたが、小説の挿絵を中心に取り上げているものは意外に少ないです。以前、小説の挿絵中心の展覧会が開催された時は飛び上がって喜んだものでした。


※ムーミン小説版は9作品。私の持っている本は昔のデザインで時代もバラバラ。

さて、この小説版、元々は児童書的な扱いのファンタジー作品ではありますが、内容的には結構大人向けの作品でもあります。もちろんムーミントロールとパパとママの一家を中心に臆病者のスニフや自由なスナフキン、いたずらなちびのミイなどが出てくるところはアニメと同じです。ただ、よりシュールな設定もあったり、教訓的なお話もあったり、大人にならないと判らない様な深いエピソードが多いのですよね。そんな原作小説のオススメ作品を4つ、ご紹介します。


『たのしいムーミン一家』(講談社文庫)
トーベ・ヤンソン (著), 山室 静 (翻訳)


何から読んだらよいか?と聞かれたら、まずはこれをオススメします。魔法の帽子をめぐって様々な事件が起こりムーミン達が巻き込まれていくというお話。とにかく出てくるキャラクター達が魅力的です。恐怖のモラン、天然なトフスランとビフスラン、何を考えているかわからないニョロニョロ、実は涙もろい飛行おに。


※ニョロニョロは人気キャラ。私も大好きです。

なんと言ってもムーミントロールが○○○になり、それをママが○○○なエピソード、ネタバレできませんが心に残ります。そして女性の綺麗になりたいという気持ちがあんな事件になるとは!ドキドキする話もあり、心あたたまる話もあり、最高の1作です。


『ムーミン谷の夏まつり』(講談社文庫)
トーベ・ヤンソン (著), 下村 隆一 (翻訳)


個人的には一番好きな話です。洪水で離れ離れになったムーミン一家がまた出会うまでのお話です。劇場に避難したが故に、劇をすることになるのですが、そのすれ違いが面白い。所々に教訓的なエピソードも入り、テンポも良く読みやすいお話です。


※情緒だったり、コミカルだったりする挿絵が素敵。グッズも大人気。

スナフキンが公園番に仕返しするシーンでは、なんとニョロニョロがタネから生まれる事が判明!ニョロニョロ好きな私としてはもうここだけでこの話は必見でした。ヘムル、フィリフヨンカなどの癖のある面々がいろいろ事情をややこしくしていくのも楽しいです。


『ムーミン谷の彗星』(講談社文庫)
トーベ・ヤンソン (著), 下村 隆一 (翻訳)


初期の作品。ムーミンとスニフはこの話でスナフキンやスノークのお嬢さんたちと出会います。彗星が地球に近づいていることを知ったムーミントロールとスニフは彗星を調べるために天文台へ向かう、というお話。ムーミンの世界観を知るにはこの本が一番良いかもしれません。


※様々な魅力的なキャラクター(何のおまけか忘れましたが、お気に入りグッズ)。

皮肉屋の哲学者じゃこうねこ、コレクターのヘムル、不思議な生き物ニョロニョロなど魅力的なキャラクターも相変わらず。のんきな冒険話かと思ったら後半からのスペクタクルがたまりません。


『ムーミンパパ海へいく』(講談社文庫)
トーベ・ヤンソン (著), 小野寺 百合子 (翻訳)


個人的に外せないお話。話としては静かに淡々と進んでで行くところも多いので、他のムーミンシリーズを読んで世界観を把握してからの方が良いかもしれません。ムーミントロールとパパとママ、そしてちびのミイがある島へ行き、灯台で暮らすというお話。


※モラン、好きなんです、寂しいおばあさんのモラン。

登場キャラクターは少ないですがツン気味でいけ好かないけど美しいうみうまや謎の漁師など癖のあるキャラばかりです。なによりムーミントロールとモランとの交流の話はムーミンシリーズの中でも一番好きなエピソード。嫌われ者のモランが好きになったきっかけがこれです。


全9作の小説版、これ以外の5作品もそれぞれ特徴があるものばかり。ムーミンシリーズの始まり『小さなトロールと大きな洪水』、パパの若い頃の冒険談『ムーミンパパの思い出』、冬のキャラたちが活躍する『ムーミン谷の冬』、脇役キャラクターたちが活躍する『ムーミン谷の仲間たち』、ムーミン一家がほとんど出てこない『ムーミン谷の十一月』


【その他のムーミンシリーズ】

それから どうなるの?(講談社)
トーベ・ヤンソン (著), Tove Jansson (原著), 渡部 翠 (翻訳)


絵本のムーミンもなかなか根強いファンが居ます。小説版を書いたトーベ・ヤンソン自らが書いた絵本が3作、ドールハウスを撮影した写真絵本が1作出ています。


ムーミン・コミックス(全14巻セット) (筑摩書房)
トーベ・ヤンソン (著), ラルス・ヤンソン (著), 冨原 眞弓 (翻訳)


ムーミンにコミックがあるのが意外に知られていないですが読みやすくてオススメ。トーベ・ヤンソンと弟のラルス・ヤンソンが共に書いたシリーズです。




またムーミンと言えば様々なグッズが出ているのもファンにはたまりません。上の写真は私の持っているグッズですが、本気で集めている人は部屋中にムーミングッズが溢れているのではないでしょうか?


ムーミン公式サイト
https://www.moomin.co.jp/

ちなみにムーミンには公式サイトがあり、主要なキャラクターや本などの紹介をしています。まずはムーミンを知りたい場合はこのサイトを参照すると良いと思います。




ムーミンテーマパーク「メッツァ」
https://metsa-hanno.com/

また、来年2019年3月16日にオープン予定のムーミンテーマパーク「メッツァ」もムーミンファン待望です。埼玉県飯能市に出来る本国フィンランド以外では初のムーミンテーマパーク、ムーミンシリーズの世界観を体験できるテーマパークです。ムーミン屋敷や水浴び小屋、天文台などが設置されるということですので出来たら行って見たいと思います。また飯能市にはすでに「トーベヤンソンあけぼの子どもの森公園」と言うムーミンをイメージした公園があるのでセットで行くのも良いですね。



※フィンランドの陶器メーカー「アラビア」のムーミンマグカップ。集めているファンが多い。


そしてなんと来年2019年にフィンランドのムーミン美術館から原画がやってくる展覧会の開催も決まっています。
【速報】2019年4月、フィンランド・ムーミン美術館から原画展がやってくる!
https://www.moomin.co.jp/news/event/35771

「日本フィンランド修好100周年記念&ムーミン生誕75周年記念 ムーミン展(仮)」

東京:六本木ヒルズ 森アーツセンターギャラリー
2019/4/9-6/16

名古屋:松坂屋美術館
2019/12/7-2020/1月末

岩手:岩手県立美術館(予定)
2020/4/1-5/31

その他、大阪、 北海道、北陸、九州、四国 など全国巡回予定

来年はムーミンファンにとって熱い一年になりそうです。まだ読んでいない方は今のうちに是非。あなたはどのムーミンから始めますか?