【これは必須アイテム!】美術鑑賞の面白さアップ!単眼鏡の選び方(2/2)

2019/2/7 19:00 KIN KIN

さて、では倍率についてどの様に選べば良いでしょうか?

【倍率について】
美術館で作品を見る場合に限ると「4倍」から「6倍」までの倍率がオススメです。倍率が高ければ高いほど良いかと思われますが、意外にそうではありません。倍率が高くなるとその分、視野角が狭くなり対象物を探しにくくなります。これは経験しないとわかり難いのですが視野が狭いと覗いた先のものを探すのが本当に難しくなります。さらに倍率が高くなるにつれて視野が暗くなります。美術館のような暗めの室内で使うには低めの倍率で、広く明るめの視野のものがオススメなのです。倍率の高いのは少し慣れた上級者向けですね。


「冨嶽三十六景・凱風快晴」葛飾北斎 東京国立博物館本館(右 部分拡大)
※こんなに細かく樹々を描いていたとは知りませんでした。


倍率4倍については視野が明るく広いので暗めの環境でも使えますし、単眼鏡を覗きながら小さなものを探すのも楽です。4倍だと拡大率が物足りない?、と思われるかもしれませんが、私は美術館で使用するには十分だと思います。初心者向けで万人に受けるタイプですね。


「夜着 萌黄縮緬地鶴亀模様」東京国立博物館本館(右 部分拡大)
※倍率4倍でも縫い目まで見ることができます。


そして倍率6倍の方の特徴はある程度のマニアでも満足する拡大率でしょう。茶碗の釉薬の具合、絵画の紙の質や絵の具の塗り重ね具合などをじっくりみたいという人にはこちらの方が良いと思います。4倍に比べて視野角が狭くなり対象物を探しにくくなる点はありますが、美術館の展示品は基本的には動かないので、6倍くらいなら大丈夫。


「黒楽茶碗」道入 東京国立博物館本館(右 部分拡大)
※釉薬の具合はもっとアップで見たいので倍率6倍を試してみたい。


「志野茶碗 銘 橋姫」 東京国立博物館本館(右 部分拡大)
※素焼きの具合は4倍でも十分わかる。


美術鑑賞用の単眼鏡はバードウオッチングやスポーツ観戦用には向いていないので美術鑑賞専用と割り切りましょう。ただし対象物が大きく動かないもの、例えば建物の一部を拡大して見ることなどには使えそうです。こういった場合は6倍の方が良いかもしれません。


東京国立博物館本館 正面階段 上部時計(右 部分拡大)
※ここは倍率6倍を試してみたい。


また、意外に知られてないのが眼鏡をかけている時の使い方。眼鏡をかけたまま単眼鏡を覗くと、レンズと目の間に隙間が出来て視野が狭くなることがあります。これは双眼鏡などを使っている人には良く知られている対処方法なのですが、目にあたる部分のゴムを折り返して覗くとそれが解消されます。ものによっては元からレンズまでの距離が短くそのまま使えるものもありますので、眼鏡をしたまま使う人はそれぞれの単眼鏡がどの様な仕様になっているか確認をした方が良いかもしれませんね。


単眼鏡 覗きレンズ部
※通常のゴムの長さと眼鏡使用時の折り返し


ざっとまとめると、使いやすい万能な倍率4倍、マニアックでも満足な倍率6倍、といったところで、基本的に美術鑑賞専用のものを選んで使えば問題なしです。この様に単眼鏡を覗いてみることによって、より深く知ることができたり、今までとは別の世界が見えたりして、新しい発見へ繋がると思います。ぜひ単眼鏡、使ってみませんか?

私が単眼鏡で撮影をしていたのは東京国立博物館本館のコレクション展示室の方ですが、現在、隣の平成館では中国唐時代の名書が集まる展覧会が開催されています。まさかあの作品が日本で見ることが出来るなんて!という凄い展覧会です。こちらも併せてどうぞ。この展覧会の内容に関してはyamasanの書いたこちらのレビューが参考になります。

【奇跡の6週間】1200年の時を超えた心揺さぶられる展覧会に行ってきた。
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6751.html


特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1925
場所 東京国立博物館 平成館
日時 2019年1月16日~2019年2月24日


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