会議は現場で起こっていた!?ブックカフェ6次元で『フェルメール会議』ナイトに参加!

2018/10/20 19:00 KIN KIN



フェルメール関連のムック『フェルメール会議』の出版記念イベント『フェルメール会議』ナイトに参加してきましたのでレポートしたいと思います。



会場の「6次元」と言うのは村上春樹ファンが集うことでも有名な東京の荻窪にあるブックカフェ。現在はイベントを中心に営業をしている様です。6次元店主のナカムラクニオさんが主催する金継ぎワークショップや、他にも様々なゲストを招いたイベントが開催されています。





美術関連のトークイベントなども盛んに開催されているので美術ファンにも注目の場所。そしてなによりも、本や古道具に囲まれた店内の雰囲気が良く、もうここに住みたい!と思う人が続出の素敵空間なのです。

6次元
http://www.6jigen.com/index.html

さて、この6次元で開催された『フェルメール会議』ナイトの元ネタになった本『フェルメール会議』とは。


フェルメール会議 (双葉社スーパームック)  監修 青い日記帳


現在、上野の森美術館で開催されている「フェルメール展」、「それは、このうえもなく優雅な事件。」と言うキャッチコピーの通り、全35点と言われるフェルメール作品をまとめて最大8点(※時期によって点数が違います)見ることが出来るとても話題になっている展覧会です。



フェルメール展
https://www.vermeer.jp/
上野の森美術館
2018/10/5-2019/2/3

これにより現在、フェルメール関連本が書店に何冊も並んでいて、どれを買って良いのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか?そんなフェルメール本とは「敢えて」一線を画した本がこの『フェルメール会議』です。

この本の全体監修をしている青い日記帳のTakさん(いまトピにもコラムを書いています)曰く、他の本と差別化するためにタイトルの文字をとにかくダサくして欲しい!とデザイナーさんにお願いしたそうです。通常はかっこ良くするのがお仕事のデザイナーさんも困ったでしょうね。



とは言ってもただ奇をてらったものではないのがこの本の凄いところ。内容に関してはちゃんと押さえています。フェルメールの全35作品をカラーで、読みやすいコメント付きで紹介しています。専門的になりすぎず、ムックならではの気軽さで手に取ることが出来ます。



さて、この「会議」と言うタイトル。「フェルメールについて皆であれこれ話し合えたら楽しいだろうな」というTakさんの発想を元にフェルメールに関心を示す様々な方が集まり語った「会議」を本にしたものなのです。

語り手のメンバーは画家、経済学者、学芸員、美術史家、女優、ライター、歴史作家、大学講師とさまざま。また、聴き手として西洋美術が得意なブロガーたちも参加(いまトピアート部のメンバーも含みます!)。



今回のトークイベントではその聴き手メンバーが会議の時の様子を語ってくれました。大学教授 小池寿子さん、画家 諏訪敦さん、大学准教授 熊澤弘さん、アートライター 藤田令伊さん、美術館主任研究員 川瀬佑介さん達の話の弾み具合。女優の星野知子さんがフェルメールでどんな妄想的トークをしていたかなど。

 

私が一番気になり、そしてこの本の特徴だと思うのが熊澤弘さんの話すフェルメールと同時代のオランダ画家たちの話。当時はフェルメールより「高額」に扱われていた画家ハブリエル・メツーの紹介などをしています。

展覧会でも前半はオランダ絵画の紹介です。確かにメツーの作品は素晴らしかった。この本では歴史作家 島崎晋さんや大学教授 本野英一さんもフェルメールの時代におけるオランダの生活について話をしています。美術史研究者 壺屋めりさんのフェルメール漫画も面白い!



トークイベントでは途中から6次元店主のナカムラクニオさんも参加。各作品についてコメントをはさんでいきます。ナカムラさんがフェルメールの「牛乳を注ぐ女」の模写をしてみると、実際の配置とは意図的に変えて描いているだろう箇所があるのに気づいたそうです。

テーブルのかたちやサイズなどによってどの様にパンや壷が置かれているか。壷と比べて注ぐピッチャーのサイズが変だったり、女性の体のサイズや立ち位置がおかしかったりするそうです。



今回、6次元内に実際に牛乳を注ぐとどうなるか!?な体験コーナーが出来ていました。

この体験は斬新!先ほどからトークイベントの写真に写っていたパンや壷は実はこのためにあったのです。もちろんパンはみんなで美味しく頂きました。※牛乳注ぎ体験、私もやってみましたが、やはり女性の方がしっくりくるイメージでした。



ちなみに、ナカムラさん、話題の展覧会ネタとしてムンクの「叫び」を模写したところ、こちらは比較的描きやすかったそうです。

ところがもう一つの話題展覧会であるルーベンスの絵はとても模写できなかったとか。「A4で描ける様な絵ではなかった。100号位のサイズが必要です。」と言っていました。さすが巨匠ルーベンス。



他にも、実はTakさんは他のフェルメール本にも記事を書いているとか、東京会場でのLED照明の下で見るフェルメール作品の印象の話とか、フェルメール作品全点制覇したKAKKOさんのご意見など色々な話題が飛び交いました。

会場にいる人たちが好きなフェルメール作品の話なども出て、「牛乳を注ぐ女」はさすがの高評価でしたが、「ワイングラス」の評判も良かったですね。



そしてこの本の裏表紙に取り上げられている作品「取り持ち女」について。東京展では12月20日まで展示される「赤い帽子の女」に代わり1月9日から「取り持ち女」が展示されます(※この間に作品数が減る期間があります)。

そしてその後にこの展覧会は大阪へ巡回するのですが、大阪ではこの「取り持ち女」と大阪のみの出展作品「恋文」含めて6点の展示予定だとのこと。



東京会場に二回行き東京のみの9点を制覇するか、大阪まで行き10点制覇を目指すかという話題も出ました。東京会場の贅沢な空間でまずは9点見ておくべきか、とか、日時指定制ではなくなる大阪がどの位の混雑となるのか、などなど、とても贅沢な悩みですね。

また、フェルメール会議は来月の11月28日にDNPプラザ(市ヶ谷)でイベントを開催するそうです。こらちも詳細が発表されたらチェックしたいです。



「フェルメール展」の東京会場、現在では土日は混んでいますが、平日はそれ程でもないようです。先日、国立西洋美術館でルーベンス展が始まりました。もう少ししたら東京都美術館でムンク展が始まります。西洋美術好きが上野に殺到しそうです。早めに行った方が良さそうですね!

いまトピでの関連コラムでは明菜さんのフェルメール展のコラボグルメ記事

【期間限定】今しか食べられないフェルメール展のグルメ3選!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6375.html

ルーベンス展に関してのTak(タケ)さんやyamasanさんの記事

これはもう“事件”!?「ルーベンス展」開催で、あの名作アニメ「フランダースの犬」放送決定!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/5804.html

大きなルーベンス、かわいいルーベンス、そして気になる「ルーベンス展」(バイエルン美術紀行2)
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6019.html

なども参考になりますね!さぁ芸術の秋本番です『フェルメール会議』や『ルーベンスぴあ』でしっかり予習して目指すは上野!!