【55年前の今日】“魔の土曜日”11月9日!恐ろしい大事故が2つ重なり…(3/3)
・画像引用:「朝日新聞縮刷版/朝日新聞社」
一方、炭鉱事故は、同じく11月9日、福岡県大牟田市にある三井三池炭鉱(1997年閉山、現在は世界文化遺産)で起きました。世にいう「三井三池三川炭鉱炭じん爆発」です。屋外で起きた鉄道事故とは違い、奥深く掘られた炭鉱内でのものということで、新聞にも写真は多く使われていません(写真は遺体が運ばれていくところを捉えたもの)。
事故は「炭じん」という、炭坑内に浮遊する非常に細かい石炭の粉末に引火し、爆発したのが原因となりました。その勢いは、炭鉱の外にある建物が爆風で吹き飛ぶほどの強烈さでした。事故当時、炭鉱内で作業していたのは1220数人だったそうですが、すぐに炭鉱外に脱出できたのはわずか400人ほどだったと伝えられています。
・画像引用:「朝日新聞縮刷版/朝日新聞社」
炭じんによる爆発だけでなく、爆風で天井や側壁が崩壊する「落盤」での圧死や、一酸化炭素中毒などで死者数はどんどんと膨らんでいき、最終的には死者458人となり、現在からしても戦後最悪の炭鉱事故になりました(戦前も含めると、1914年=大正3年に福岡県の方城炭鉱で起きた「方城大非常」の687人に次ぐ2番目。 ※数字は朝日新聞に掲載されたもの)。
どんな悲惨な大事故であっても、時間の経過とともに風化してしまいがちなものです。55年経った今、この事故により犠牲になった方々へ後世に生きるものができることは、こんなことがあったのだと振り返り、忘れずにいることではないでしょうか。
(服部淳@編集ライター、脚本家)
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