これはスゴい!ビールサーバーから注ぐ日本茶「NITRO Green Tea」が想像の斜め上をいっていた

2018/4/6 11:50 satomin satomin


ビールサーバーから注ぐ日本茶!?!?

今まで見たことのない、日本茶の進化系「NITRO Green Tea(ナイトログリーンティー)」が登場し日本茶界隈がざわついています。




コーヒーでも去年ぐらいから黒ビールのような水出しアイスコーヒーとして「Nitro Cold Brew Coffee(ナイトロコールドブリューコーヒー)」が注目され始めました。(「ニトロコーヒー」や「ドラフトコーヒー」とも呼ばれています。)
アメリカで生まれた、日本のスターバックスでも去年から発売され、現在国内6店舗で提供。スタバ以外にも日本の限られたお店で提供されています。


そして、ついに日本茶にもその波が。


以前コラムでも紹介した「東京茶寮」「煎茶堂東京」を運営するLUCY ALTER DESIGNが、スコットランドのクラフトブルワリー「BrewDog」とコラボし「NITRO Green Tea」を開発。BrewDogアジア初のオフィシャルバー「BrewDog Roppongi」にて1ヶ月限定で発売しました。
ということで、六本木の「BrewDog」に取材に行ってきました。





■「NITRO Green Tea(ナイトログリーンティー)」とは?

「NITRO Green Tea」は、水出し(コールドブリュー)で抽出した日本茶を、窒素ガス(Nitrogen/ナイトロジェン)を充填しながら専用のサーバーから注ぐこれまでにないスタイルの日本茶です。

「東京茶寮」「煎茶堂東京」で使用している、シングルオリジン(単一農園・単一品種)の茶葉を使用しています。

期間中、提供される「NITRO Green Tea」は全4種。
お茶にもお米やフルーツのように品種があり、今回さえみどり香駿が日替わりで登場。
さらに、それぞれに玄米を加えた「NITRO玄米茶」バージョンが日曜~木曜限定で提供されています。



■「NITRO Green Tea さえみどり」を飲んでみた

まるで生ビールのように、タップからグラスに注ぎます!




注いでいる動画はこちら!

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注ぎたては窒素ガスが混ざりクリーミーな色合い。ギネスビールのサージングのように徐々に細かい泡が上に集まり白い泡の層が表面にできあがっていきます。


しばらくすると、グラスの中はさえみどり特有の鮮緑色と、その上の白い泡の2層に分かれます。




「NITRO Green Tea」専用タップと他のビールのタップとの違いは注ぎ口。中に開けられた小さな穴から注がれます。


▲左:ビール用、右:NITRO Green Tea用


グラスに鼻を近づけると冷茶とは思えない濃厚なお茶の香りに驚きます。
(お湯で淹れた)玉露や抹茶の香りに近いです。




一口飲むとクリーミーな泡と共に口の中でお茶が広がり、お茶の旨み甘みが泡の中から飛び出してきます。
新体験の日本茶です!

時間が経って泡が消えていってもグラスをスワリングすると泡が復活し、香りが立ち昇ります。
時々グラスをくるくる回しながら飲みましょう。





■香ばしい玄米茶バージョン

「NITRO玄米茶」は、BrewDogスタッフが「東京茶寮・煎茶堂東京」のにこまる玄米と氷を加えてシェーカーを振って作ってくれます。まるでカクテル!


しかし、このスタイルの完成までには一苦労あったそうで…

「玄米を普通に水にいれると浮かぶんです…」と実際に浮かんでいるのを見せてくれる高橋さん。「お湯で淹れると玄米の香りがお茶に移るんですが、水だとそうはいかない」その難しさを想像させます。



▲お茶の表面に浮かぶ玄米の粒


「試行錯誤の末、氷と一緒にシェーカーで振ることで、お茶に玄米の香りが移ることがわかった。」と開発時の苦労を語ります。



▲「NITRO Green Tea さえみどり」を玄米と氷と一緒にシェーカーで振る



▲シェーカーから注がれる「NITRO Green Tea さえみどり×玄米茶」




注いだ直後は「NITRO Green Tea さえみどり」の時と同様にお茶の中には細かい窒素ガスの泡が見えます。


グラスに鼻を近づけると香ばしい玄米の香りがします。「NITRO Green Tea さえみどり」とはがらりと印象が変わります。



▲グラスの中には白いモコモコの泡が


シェーカーを振ることでよりクリーミーな泡立ちに。飲むと泡の1つ1つに閉じこめられた玄米の香りが口の中で広がります。



さえみどりの他に、日替わりで香駿の「NITRO Green Tea」も提供されています。


▲左:水色が鮮緑色のさえみどり、右:水色が山吹色の香駿。ビールのようにも見えます。


品種の特徴としては、早生品種のさえみどりはその鮮やかな緑の水色が特徴。
煎茶は約75%がやぶきたという品種ですが、新茶の時期によく見かけるのがさえみどり品種です。

香駿は一般的な煎茶とは違った花香が特徴で、品種茶好きの間でも人気のある品種です。



■ビールより難しい!?「NITRO Green Tea」開発秘話




「BrewDog Roppongi」の高橋さんに「NITRO Green Tea」発売までのお話しを伺いました。

LUCY ALTER DESIGNとのコラボで開発した「NITRO Green Tea」。いままでにない試みということで開発には試行錯誤があったそうです。


「そもそもビールの泡はホップの成分や油によって出来ていて、ビールは泡持ちもいい。お茶にはそういったものがなく、泡立たせることがビールより難しい」と高橋さん。まずはそこから苦労したと言います。

ちなみに、ビールの泡にも2種類あり、通常のビールは二酸化炭素で、ギネスなど一部のビールで窒素ガスを使っています。

「BrewDog Roppongi」では窒素ガス入りのクラフトビールを提供していることや、NITRO Coffeeなどを取り扱った経験により、難しい日本茶との組み合わせである「NITRO Green Tea」を作り出すことができたと言えるかもしれません。


茶葉選びについても、「東京茶寮」のシングルオリジンの茶葉を何十種類も窒素ガスを加えて試したそう。
高橋さん曰く「(窒素)ガスを入れると断トツにさえみどりが光った!」とその時の印象を語ります。そうして最終的にさえみどりと香駿が選ばれました。



中身だけでなく、グラスにもこだわりが!
お店にある数種類の中から「BrewDog Roppongi」オリジナルのtekuグラスが選ばれました。



香りを嗅ぐのに適している点や、傾けた時に泡より先に液体が口に入らないにようになっている形状、リムの角度により顎を上げて飲むように作られているなど、考え抜かれたグラスです。

ちなみに、この素敵なグラスは「BrewDog Roppongi」で販売されています。価格は1500円。


そんな苦労の末に誕生した日本初、世界初の「NITRO Green Tea」は1日20杯限定で4月20日まで販売中。

「BrewDog Roppongi」の店内は和の雰囲気とは真逆の海外のバーにいるかのようで、ここで日本茶が飲めるのも不思議な感覚です。




提供方法ももちろん、グラスや店内の雰囲気まで、これまでになかった日本茶体験です。ぜひ一度体感してみてください。

もしかすると数年先には日本茶のスタンダードに入っているかもしれない「NITRO Green Tea」。
この機会に楽しんでみては。



・「BrewDog Roppongi」
ホームページ
営業時間:月~金 17:00~24:00/土日祝 15:00~24:00
住所:東京都港区六本木5-3-2 齋藤ビル1F




NITRO Green Tea さえみどり
NITRO Green Tea 香駿
NITRO Green Tea さえみどり×玄米茶
NITRO Green Tea 香駿×玄米茶
各400円(税込)


(satomin@お茶ライター Teawriter)


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