メルヘンとイラストポエムの世界…「ファンシー絵みやげ」で振り返る大門多美先生のファンシー絵はがき(1/3)

2017/11/17 12:00 山下メロ 山下メロ


お久しぶりです。平成元年あたりのカルチャーを発掘調査している山下メロと申します。80年代とも90年代とも違うその時代を、平成レトロとして愛好しております。


↑寅さんのふるさと柴又帝釈天よりこんにちは。

当連載では、80年代から平成初期に流行した「ファンシー絵みやげ」から、当時の流行を紹介していきたいと思います。「ファンシー絵みやげ」とは80年代からバブル経済期~崩壊を挟んで90年代まで、日本の観光地で若者向けに売られていた、かわいいイラストが印刷された雑貨みやげのことです。



「ファンシー絵みやげ」については連載第一回をご覧ください。

■ 江の島の出会い

ファンシー絵みやげ周辺の近縁種の中で、特にメルヘンな印象があるのがファンシー絵はがき、ファンシー絵しおり、ファンシー絵カードなどです。この連載で何度かとりあげてきましたが、今回はその続きのお話です。
↑こちらがファンシー絵はがき、ファンシー絵しおり、ファンシー絵カード。まとめて「ファンシー絵はしカ」と呼んでいます。

最初に紹介したファンシー絵しおりの際、都心から近い神奈川県の観光地・江の島での衝撃的な出会いの話をしました。ざっと振り返りますと、現在ではあまり見つけられなくなったファンシー絵しおりを、江の島の土産店で発見したのです。


↑「イラストポエム集 旅するとき…」作者は大門多美先生。


↑中はカラーイラストの描かれた厚紙にリボンを結んだしおりのセット。

そのお店でファンシー絵みやげがないか調査を続けていたところ、耳を疑うような言葉が聞こえました。

「あ、これお母さんが絵を描いてるしおりだ。買わなきゃ」

!!!!!!!!

驚いて、慌てて声をかけ話を聞くと、作者である大門多美さんの娘さんとのこと。 私がたまたま江の島に調査に行った日、同じ時間に、偶然出会えるとは奇跡としか言いようがありません。

↑思わず娘さんと記念に写真を撮ってしまいました。
……と、連載ではここまででしたが、このお話には後日譚があります。実は奇跡はこれだけでは無かったのです。

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