私はコレで会社をやめました…「ファンシー絵みやげ」で振り返る喫煙ブーム(1/2)

2017/5/26 12:00 山下メロ 山下メロ


お久しぶりです。平成元年あたりのカルチャーを発掘調査している山下メロと申します。80年代とも90年代とも違うその時代を、平成レトロとして愛好しております。



前回から引き続き短ランで失礼します。

当連載では、80年代から平成初期に流行した「ファンシー絵みやげ」から、当時の流行を紹介していきたいと思います。「ファンシー絵みやげ」とは80年代からバブル経済期~崩壊を挟んで90年代まで、日本の観光地で若者向けに売られていた、かわいいイラストが印刷された雑貨みやげのことです。



「ファンシー絵みやげ」については連載第一回をご覧ください。

■ 不良とタバコ

前回特集したヤンキーカルチャーにおいて欠かせないアイテムといえばタバコです。不良といえばタバコをくわえているというイメージが強いのではないでしょうか。


↑前回紹介した “湘爆”を意識している「爆走族」のタバコとライターを入れる吊るしケース。鳥取大砂丘みやげ。下部はCABINのデザイン。


↑タバコを箱ごと、もしくは箱から出して入れて形態するための缶ケース。当時は雑貨店などでも売られていた。こちらは両方とも三重県は伊勢志摩で売られていた。

現代ではアイコス(iQOS)など電子タバコ(Vape)も普及していますが、それも健康を意識してタバコを避けた結果ではないでしょうか。ファンシー絵みやげ全盛の時代は今ほど分煙や禁煙が叫ばれていませんでしたので、喫煙する人も非常に多く、お店やオフィスも分煙ではありませんした。タバコのテレビCMもさかんに放映されましたが、いっぽうで「私はコレで会社をやめました」のフレーズで有名になった禁煙パイポ(禁煙用パイポ)という商品のCMも話題になりましたね。


↑ 1984年に発売されたマルマン(当時はアルマンが発売)禁煙用パイポのTVCF

禁煙パイポのCMが話題になった1984年当時は喫煙人口も多く、同時代のファンシー絵みやげにおいても喫煙に関するアイテムが多数商品化されました。


↑観光地ではライターも売られていた。左のBOYS LIFEとライターの形状も色も同じ真ん中の佐渡島OKESAKKO。イラストは反転されているものの、BOYS LIFEのイラストを元に佐渡おけさを踊る女性のイラストが作られたことが分かる。


↑こちらは Carrot Club のライター。決まった大きさの100円ライターを中に入れて使うことができる仕様。


↑Zippo風のオイルライターも多数作られ、土産店で売られていた。樹脂製のアンプル状の容器に入ったオイルがセットになっていることがほとんどである。


↑Zippo風オイルライターを収納しぶら下げることができる小さいケース。こちらにもファンシー絵みやげのイラストがプリントされていた。

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