エリマキトカゲにラッコにコアラ…「ファンシー絵みやげ」で振り返る動物ブーム(2/3)

2017/4/21 12:00 山下メロ 山下メロ


■ エリマキトカゲ

1980~1990年代の、まさにファンシー絵みやげが観光地で主役だった時代にはテレビCMに流行の動物が出演したり、逆にテレビCMに出演した動物の人気が出たりしていました。中でも一番有名なのはエリマキトカゲではないでしょうか。



パプアニューギニアとオーストラリアの一部に生息するトカゲ、1984年三菱自動車ミラージュのテレビCMから火がついて、日本に上陸しました。


↑エリマキトカゲはかわいくするのが難しいのかリアルな雰囲気のものが多い。


↑しかし頑張ってかわいくしたものが存在し、観光地の土産店に売られていた。

■ ペンギン

動物のCMといえば、ペンギンが使われることがありました。アニメーションを使い、後に映画『ペンギンファミリー 幸福物語』が作られるほど人気を博した1983年のサントリーCANビール。それから、イワトビペンギンを当時まだ目新しかった3DCGアニメーションで動かした1995年の資生堂HGスーパーハード。ハッキリとしたペンギンブームではありませんでしたが、長期間に渡ってペンギンは人気でした。


↑以前の連載でも一部を取り上げましたが、どこかで見たことのあるペンギンたち。

他にも、サンリオのタキシードサムやバッドばつ丸、サンエックス・レッツチャットのペンジャミンなどファンシーキャラクター業界にもペンギンモチーフは多くありました。ファミコンソフトでも『けっきょく南極大冒険』や『ぺんぎんくんWARS』、『バイナリィランド』などペンギンが主役のソフトが売られるなど、色々な場面でペンギンを目にしました。鳥山明の漫画『Dr.スランプ』、アニメ『Dr.スランプアラレちゃん』の舞台が「ペンギン村」であることも象徴的です。

■ ウーパールーパー

別名アホロートルとも呼ばれるウーパールーパーは、幼形成熟するメキシコサラマンダー(メキシコサンショウウオ)のアルビノ個体の俗称です。尾崎亜美さんがパピの変名で歌ったシングル盤「ウーパーダンシング」も有名なウーパールーパーが使われた日清焼きそばUFOのテレビCMを思い出す人もいるのではないでしょうか。



この他にもファンシー絵みやげの時代には色々な動物ブームが起こりました。

動物園や水族館で飼育展示を行うことでブームが起こり、さらにその展示施設の売店や周辺の土産店で売るためにファンシー絵みやげにその動物がさかんに描かれるようになります。ここからは飼育展示されてブームとなった動物を紹介いたします。

■ ジャイアントパンダ

1972年に上野動物園で初めて飼育展示が開始されてからずっと人気であるジャイアントパンダですが、1980年代も変わらず人気でした。国内で初めて人工授精での繁殖に成功したフェイフェイとホアンホアンの父母から1986年に誕生したトントン、1988年に誕生したユウユウなど、次々と新しい話題が生まれました。


↑トントンが描かれた切符型キーホルダー。ファンシー絵みやげのフォーマットで作られているが、完全に決まった個体をモデルにしているということもありディフォルメなしでリアルに描かれている。


↑裏には成長記録が書かれており、この商品が一般公開に合わせて作られたことが分かる。

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