「ネシ子が会う」田島ハルコ(連載 第十二回)(2/5)

2016/12/13 11:00 フレネシ フレネシ



―――フ:【質問その10】いま一番並んで写真を撮りたい有名人は誰ですか?

田:ミーハーかつ恥ずかしがりなのでこれは言えないです!

―――フ:【質問その11】幼少期の原体験について教えてください。どんな子供で、主に何をして過ごしていましたか?

田:昔のことって全然ちゃんと覚えてなくて、特に具体的な体験の記憶っていうものがほぼない。で、体験ではないんですが、小学生のときに無性に大好きだったのは「元素周期表」と「鉱物」です。実際のそれというより概念として、といった感じです。モチーフ?フェティッシュとして?みたいな。

子供のころよくやってたことはなんとなく覚えています。ベタでかつちょっと怖いやつですが、虫をめっちゃ殺していました。キッズのライフワークですよね。虫殺すの。あと、またちょっと嫌なやつですが、身体中の血管をカラフルなサインペンでなぞって書く遊びをよくやっていたんですが、ある日突然猛烈に怖くなってやめました。


―――フ:【質問その12】コレクター気質ですか?これまでに集めてきたものについて教えてください。



田:さっきも言ったように鉱物を小学生のころからずっと集めています。小さいときからよく図鑑を見たりしていて大好きだったんですが、集め始めたのは小5くらいからかな。コンスタントにというより、かなり波がある感じですが今もずっと継続されてます。他にもいろんなものを集めているわけではないので、コレクター気質ではないような気がします。

―――フ:【質問その13】いま、こっそりコレクションしているものはありますか?

田:「こっそり」集めるような怪しい収集癖はおそらく自分にないこともないんですが、今は特に思いつかないです。

―――フ:【質問その14】少女時代、定期購読していた雑誌は?

田:雑誌は読んでなかったです。

―――フ:【質問その15】音楽家を志したのはいつでしょうか?

田:近年になってすごくじんわりとそういう風になっていったんですが、もともとは中2のときにバンプオブチキンの藤原基夫さんと同じ黄色いレスポールを親に買ってもらったくらいのときからなんだと思います。

―――フ:【質問その16】ポストパンク/ニューウェーブに目覚めたきっかけは?



田:決定的だったのは、高校生の時にサマソニでDEVOの来日公演をみたことです。当時なんとなくリバイバル的に流行っていたテクノポップみたいな人懐っこさとは違う、もっとものすごく尖ったものを感じて、当時「これぞパンクだ!」と思いました。

あのときのショックが忘れられず、心踊る「変な音」と「変な人間の動き」を求め続けて、大学生の時にDer Planなどのジャーマンニューウェーブと出会い、その時またニューウェーブ熱が超盛り上がって、で、最近はバイト先の有線で流れていたMajor lazerの「lean on」に衝撃を受け、晴れて(?)DEVOの呪いから解き放たれた感じです。


―――フ:【質問その17】作詞作曲アレンジ、ミックスからマスタリングまでを行うという田島さん。ミックス以降は他人にゆだねてしまう私からすると尊敬に値します。女性ミュージシャンでそこまで行う人は少ないのではと思いますが、創作活動においてそれはツラい作業だったりしませんか?

田:自分の作品は全て自分で完結させたいという執着があるのかもしれません。周りにできる人がいなかったというのはどっちかというと言い訳で、誰かに頼んでも納得いかないくらいならいっそ自分の手垢まみれにしたいみたいな感じでしょうか。

多くの女性ミュージシャンにとってそれがツラい作業っていうのは多分「音のオタク」じゃないからだと思うんですよね。私も音響にも機材にも全然興味がないので。でも作品と向き合っていくのはしんどいけど楽しい作業だと思っています。でも「音を良くする」とこに向き合うとなると普通に楽しくないし辛いだけになっちゃうので、今後ある程度は人に頼みたいです。


―――フ:【質問その18】田島さんの作品を生み出すスピード感は「若さ」の象徴でもあるなあと思います。最近作った作品でファンの方に一番聴いてほしいのはどの曲ですか?

田:「人体山脈」という曲です。

田島ハルコ(Haruko Tajima)人体山脈 (soundcloud)



―――フ:【質問その19】他のアーティストの好きな歌詞を、ワンフレーズ教えてください。

田:「産み落とせ街の落とし子 母の街を駆けろ」

―――フ:【質問その20】理想のポップスターといえば?

田:実は私はポップソングを志向しているにもかかわらず、ポップソングを聴き始めたのは本当にごく最近という「ポップにわか」なのです。



しかし、これまで私が受けてきたポップソング的ではない音楽の影響は、全て私の身体性に回収されていった、と思っていて、最近ポップスを聴いていて思うのは、ポップスの中にも人間のいびつさがもがき苦しんでいるようなところはあるよなと。そういった意味ではSia(顔を出さずに活動している女性SSW)かな。こういう表現をする女性がポピュラリティを獲得しまくっている時代に生きていて本当によかったと思えます。

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