『どうする家康』で織田信長を演じた岡田准一が本能寺の変で退場!『レジェンド&バタフライ』で同じく信長を演じた木村拓哉との違いとは

2023/7/28 19:30 龍女 龍女

①うつけ者(不良少年)時代のあの格好ではない

歴代の織田信長を演じた俳優が「うつけ者」と呼ばれた時代の格好と言えば

髪は茶筅髷
虎皮を染め合わせた半袴
腰の周りには火打ち袋や瓢箪をいくつもぶら下げる

この三つが大きな特徴である。

イラストの木村拓哉の織田信長は体全体を描かなかったので、わかりにくいかもしれないが、この三つをアレンジした衣装である。


(『織田信長 天下を取ったバカ』の木村拓哉 イラストby龍女)

柘植伊佐夫と岡田准一が話し合って決めた事は、赤色と袖なし小袖は元ネタから残すことだった。
岡田准一と織田信長の接点は、格闘技好きだ。
織田信長は相撲好きで知られている。
岡田准一は『フライ,ダディ,フライ』(2005年7月9日公開)の主演でボクシングを身につけた高校生役を演じたことが本格的なきっかけになった。
原作者の直木賞作家金城一紀が脚本家として企画したフジテレビの深夜ドラマ
『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年11月~2008年1月)とその劇場版(2010・2011)の準備段階から参加している。
ブルース・リーが創始者の総合格闘技截拳道(ジークンドー)
初代タイガーマスク佐山聡が創始した総合格闘技修斗
フィリピンの武術カリ・シラット
三つの師範の免許を取った。
現在は、自ら主演する映画・ドラマのアクション監督まで務めている。

『どうする家康』では、松本潤が家康役をオファーされたときに相談したのが
ジャニーズ事務所の先輩で、大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014)で主演を務めた岡田准一だった。
信長を演じることになったのは偶然だったようだが
家康は幼名の竹千代時代に初めて信長に会ったときから、虎の穴のような地獄に放り込まれる。
文字通りの「かわいがり」を受けるのである。
信長の周りには国衆と呼ばれる小領主達の次男三男が馬廻り(親衛隊)を務める
赤母衣衆黒母衣衆がいた。
柘植伊佐夫はそこからヒントを経てうつけ者時代の信長のイメージカラーをにした。


(少年時代の赤い服の信長 イラストby龍女)

上半身は小袖と言って室町中期から庶民が来ていた上着を、上流階級の上着にも取り入れ始めたのが信長と言われている。
平安時代には12単衣の下着と言う認識の着物だった。
時の権力者は、ファッションリーダーでもある歴史がある。
とんがっていた若い頃は小袖どころか袖を付けていないのは信長の合理性も表している。

岡田准一は更に大人になって家康と再会しても、徐々に出世して新しいファッションを取り入れても動きやすい服として下半身は袴にしたいと言ったそうだ。


(真紅色絹朱子袖なし小袖に濃紅色柄織小袴 イラストby龍女)


次の頁では、大人になった信長の人物デザインを見ていこう。

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