島津亜矢は和田アキ子以上!?コンサートを鑑賞して「歌怪獣」と呼ばれる所以が分かった!

2023/6/16 17:00 龍女 龍女

現地リポート
島津亜矢 premium POPS tour 2023 "SINGALONG"

非常に有名な会場であったが
筆者は昭和女子大学人見記念講堂へ来るのが初めてであった。
どれ位、人見記念講堂と縁がなかったかと言えば
この「人見」を初の女性オリンピックメダリストの人見絹枝(1907~1931)と勘違いするほど疎かった。
実際はこの人見とは人見絹枝と同じ岡山にルーツを持つ詩人で教育者だった昭和女子大学の創設者
人見東明(本名・圓吉)(1883~1974)の事だった。
建物自体は1980年に建てられていて、筆者はもう生れていた時代なので意外と新しかった。

東急田園都市線の三軒茶屋駅の南口Bを出て東方向へ道なりに歩いて徒歩7分の距離右側に昭和女子大学の門があった。
チケット確認のための行列に並んでいると、右側に『ブリティッシュ・スクール・イン・東京』の校舎を見つけた。
大学の5号館を「昭和キャンパス」として貸与しているそうだ。

講堂の内部に入った。
初めての場所だったので道に迷うといけないから、開演の17時より40分くらい早く来た。
席を確認した後、二階席入り口の3枚の絵が気になった。
ロビーで座って休憩する気になれなかった。
女性の演奏者3人の絵が描かれていた左の洋画は調べきれなかった。
他の二枚の日本画はタブレットで調べて判明した。
中央の田之口青晃(1897~1965)の『精』は、最晩年の1965年(昭和40年)の日展に出品された。
右側の三谷十糸子(1904~1992)の『笛の音』は、1983年(昭和58年)第15回改組日展に出品された。
その他にも一流の美術品が展示されてあって、美術ファンとしても目が離せない会場であった。

開演時間になると席に着いたが、シートが新しく感じられた。
建物が42年経っているので改装が行われたこともあったのだろう。
調べたら、2022年の3月にリニューアルオープンをしていた。


コンサートの第1曲目は
ベン・E・キング(1938~2015)の『スタンド・バイ・ミー』(1961年)。
2曲目以降はメドレーで
『全力少年』(オリジナルは2005年・スキマスイッチ)
『悲しみがとまらない』(1983年・杏里)
『ルージュの伝言』(1975年・荒井由実)
『ありがとう』(2010年・いきものがかり)

「そんなに前の作品なんだと、私もびっくりしましたが、いい曲はずっしりと残っていくものですね。
皆さんはどの曲が好きですか?
その曲によって年代がわかります(笑)」
筆者は、杏里の『Cat's Eye』の後の大ヒット曲の『悲しみがとまらない』が好きだ。

『きらり』(2022年・藤井風)
2010年のYouTubeの歌ってみた動画から出てきた藤井風のメジャーデビューは2020年である。

『Sweet Memories』(1983年・松田聖子)
『My Heart Will Go On』(1997年映画『タイタニック』より・セリーヌ・ディオン)
『田園』(1996年フジテレビ木曜劇場『コーチ』より・玉置浩二)

『誕生』(1992年映画『奇跡の山 さよなら、名犬平治』より・中島みゆき)
この曲を選んだのは、島津亜矢自身が4匹の犬の親(?)をしているからで、現在オリジナルの犬グッズを製作中だそうだ。

『アイノカタチ』(TBS火曜ドラマ『義母と娘のブルース』2018年・MISIA)
1998年のCD売り上げ全盛期にデビューのMISIAのコロナ禍直前のヒット曲である。

約1時間40分の内容であるため、休憩はない代わりに実質の第2部は衣装替えとなる。
その間はバンドの演奏となるが、その時に選ばれた曲がなんと
スティーヴィー・ワンダーの1985年のアルバム『イン・スクエア・サークル』に収録されている”Overjoyed”をインストヴァージョン(歌なしメイン楽器はサックス)にアレンジしたモノだった。
これは島津亜矢が歌うポップスがどういう音楽性の方向かを示している。


(熱唱する島津亜矢。オトカゼより引用 イラストby龍女)

『Saving All My Love for You』(1985年・ホイットニー・ヒューストン)
4月15日のルネこだいらの歌怪獣ツアーでは同じホイットニーの『I Will Always Love You』(1992年。映画『ボディガード』より原曲は1973年のカントリー歌手のドリー・パートン。編曲はデヴィッド・フォスター)をカバーしている。
島津亜矢のポップスのカバー曲のアルバム『SINGER』シリーズは、現在まで8枚発売されている。
その中でも、洋楽のカバーで取り上げられる歌手で最も多いのが、ホイットニー・ヒューストン。
最新カバー集の第8弾では、同じ『ボディガード』から『I Have Nothing』を選んでいる。
彼女の歌の特徴は伸びのある高音が映えるし、低音もドスが利いているので、ホイットニー・ヒューストンの楽曲は合っている。
何より、島津亜矢が歌手としてデビューした1986年から1987年時に最も売れていた人物がホイットニー・ヒューストンである。
影響を受けてもおかしくない。

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