【戦国の茶器】天下人を魅了した黄金の輝きが卓上によみがえる!

2023/3/30 22:05 yamasan yamasan

こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。

今回はガチャガチャ戦国の茶器五~天下統一編~が発売されましたのでさっそくご紹介したいと思います。

今回のテーマは天下人を魅了した黄金の茶器


上の写真右から、「醍醐の花見」で知られる京都・醍醐寺が豊臣秀吉から賜った黄金天目茶碗、秀吉が時の天皇、正親町天皇に茶を献じるために作られた「黄金の茶室」に置かれた黄金の茶釜・風炉、秀吉の馬じるしとして使われた金瓢箪 金切裂

わび、さびを重んじる茶の湯の世界で異彩を放つ豪華絢爛な「黄金の茶室」は大坂夏の陣で失われたとされていますが、それを復元したものが熱海にあるMOA美術館に展示されているのでご覧になられた方もいらっしゃるのでは。
室内には黄金の茶器も展示されています。

MOA美術館 黄金の茶室

続いては楢柴肩衝茶入


これは黄金の茶器ではない! と思ったのですが、茶杓入れから茶杓を出してみたら、なんとこれが黄金色でした。

この楢柴肩衝茶入は、初花新田とともに天下三肩衝といわれていました。
初花と新田を入手していた織田信長は、楢柴を所有していた博多の豪商茶人、鳥井宗室に献上を命じましたが、本能寺の変がおこり、天下三肩衝を手に入れることはできませんでした。

その後、秀吉が初花、新田とともに楢柴を手に入れ、のちに徳川家康の手に渡りましたが、楢柴は明暦の大火(1657年)で焼失したとも、どこかに持ち出されたとも言われ、現在でも所在不明になっています。

しかし、この「戦国の茶器」シリーズではすでに初花(戦国の茶器弐~天正名物伝~)、新田(戦国の茶器参~侘び寂びの世界~)が出ているので、信長でさえなしえなかった「天下三肩衝」を卓上に揃えることができました。

右から、新田、楢柴、初花

茶道具の名品のラインナップはまだまだ続きます。
下の写真右は、石川五右衛門が秀吉の寝床に忍び込んだ時、この香炉の蓋についている千鳥が鳴いたため捕らえられ、釜茹での刑に処せられたという伝説がある千鳥香炉(青磁香炉 銘 千鳥)

そして、下の写真左は「大井戸茶碗 喜左衛門」と並び称される井戸の名碗で、戦国時代の武将、筒井順慶が所有していたのでこの名がついている大井戸茶碗 筒井筒


千鳥香炉に添えられている明時代の堆朱輪花形の香炉台もこのように見事に再現されています。


香炉台の右下には小さな粒のようなものが見えますが、これは『現代語訳 信長公記』(新人物文庫)P224に信長が誇らしげに切取る様子が描かれている香木蘭奢待の一片。

代々の権力者の象徴、蘭奢待は「戦国の茶器」第1弾にラインナップされています。
信長が「蘭奢待」を切取る栄誉にあずかるのは東山殿(足利義政)以来のことでした。白い付箋には、切取った人物の名前が記されています。



今回も茶器の名品が勢揃いした「戦国の茶器五~天下統一編~黄金の茶器」。発売元トイズキャビンの公式サイトによると、今回が「戦国の茶器」シリーズのラストとのこと。
天下人になった気分でさっそくゲットしてみましょう!

戦国の茶器五~天下統一編~ 黄金の茶器


戦国の茶器シリーズは、以前のいまトピのコラムで2回紹介しています。ぜひこちらもご覧ください!

【#麒麟を待つ】麒麟ロスは〇〇で乗り切ろう!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6942.html

(*)先ほどご紹介した「大井戸茶碗 喜左衛門」は、こちらのコラムで紹介しています。

【国宝の茶碗が自宅に!?】今話題の「曜変天目」をゲットしよう!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6942.html