（緑川ルリ子役の浜辺美波　イラストby龍女）

本郷猛（池松壮亮）と緑川ルリ子（浜辺美波）はクモオーグ（声･大森南朋）に追われている。

「オーグ」とは、悪の秘密結社SHOCKERの構成員でオーグメント（改造手術）を施されて他の動物と合わさった人造人間のことである。

ルリ子は機動隊に擬態したクモオーグの部下の戦闘員に捕獲される。
本郷はバッタオーグに変身して戦闘員を瞬く間に倒し、ルリ子を救出して山中のセーフハウスに身を隠す。
そこに現れたルリ子の父・緑川弘（塚本晋也）は本郷をプラーナ（サンスクリット語で呼吸･息吹を意味する。生命エネルギーのこと）の力によって変身する
昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクト（昆虫と合成された改造人間の計画）の最高傑作として新たな体にアップグレードしたことを明かす。
弘はその力を人のために使ってほしいと語る。
そこに出現したクモオーグによって殺されてしまう。
ルリ子を連れ去ったクモオーグを追って本郷はオートバイのサイクロン号に乗ってバッタオーグへと変身し、「仮面ライダー」を名乗ってクモオーグを倒す。

そんな中、本郷とルリ子の前に政府の男（竹野内豊）と情報機関の男（斎藤工）が現れ、警護と情報提供をする代わりにSHOCKERの排除に協力してほしいと持ちかけられ、協力を結ぶ。


（政府の男役の竹野内豊　イラストby龍女）

ルリ子はSHOCKERが人類を幸福へと導くのではなく、最も深く絶望を抱えた人間を救済することを実行するために設立した非合法組織であることを明かす。
ルリ子は戦うことを恐れる本郷を残してSHOCKERの生化学主幹研究者コウモリオーグ（手塚とおる）の元へ単身向かい、本郷は決意を固めてコウモリオーグと対峙し、これを倒す。

一方、ルリ子の兄緑川イチロー（森山未來）は彼女が本郷を伴って自らの元に現れることを想定し、本郷と同様に昆虫合成型オーグメントとなった男・一文字隼人（柄本佑）を用意する。


（一文字隼人役の柄本佑　イラストby龍女）

政府の男と情報機関の男は、猛毒性化学兵器を使用するサソリオーグ（長澤まさみ）を本郷たちの力を借りずに排除すると、ルリ子にとって一番友達に近い存在であったハチオーグ（西野七瀬）を倒すことを依頼する。
ハチオーグは本郷とルリ子に組織に戻るよう促すが、それを断られるとテストモデルとして街の人々を洗脳して操り、2人を襲う。
本郷はハチオーグの洗脳システムを破壊するため、ルリ子をアジトへと単身向かわせ、上空から降下して洗脳システムを破壊する。ハチオーグを圧倒した本郷とルリ子であったが、サソリオーグのデータを応用した兵器を用いた情報機関の男によってハチオーグは殺されてしまう。


（『シン･仮面ライダー』の「仮面ライダー0号」緑川イチロー役の森山未來　イラストby龍女）

サナギから羽化しチョウオーグとなったイチローはアジトを強襲した政府の実働班を壊滅させる。
損傷もなく笑みを浮かべたまま亡くなっていた彼らに政府の男は疑問を抱く。
ルリ子はイチローがプラーナを強奪してハビダット世界に魂を送り込んでいると明かし、その計画を阻止するため、イチローのアジトへと向かう。
互いのデータを読み込むことで目的を達成する予定であったが、ルリ子はイチローの圧倒的な力を受けて意識を失う。
本郷を軽くあしらったイチローは、風を受けずに変身できるようにカスタムした強化型である一文字（第2バッタオーグ）に後を任せる。一文字は本郷の左足を折るが、ルリ子によってその洗脳が解かれる。

3種合成型オーグメントであるカマキリ・カメレオン（K.K）オーグ（本郷奏多）によってルリ子が致命傷を負い、本郷の目前で命を落とす。
本郷はルリ子が遺したプログラムを携え、イチローのアジトへと向かうが、11体の大量発生型相変異バッタオーグの攻撃によってピンチに陥る。
仮面ライダー第2号を名乗るようになった一文字によって窮地を救われる。バッタオーグたちを倒した本郷と一文字はイチローのアジトへとたどり着くが、イチローは完全体である仮面ライダー第0号となって彼らと対峙する。


と言うのが『シン･仮面ライダー』のあらすじである。
『シン･ウルトラマン』同様、TVシリーズに出てきた怪人を「オーグ」と言い換えて（シン･ウルトラマンの場合は「禍威獣」）、数話分のエピソードを串団子状に構成した。
評判が良ければ、第2号が活躍する続編が作られるのだろうが、筆者はあまり興味が無い。
せいぜい興味があるのは、多分続編には死神博士が出てくるはずなので、誰がやるんだろうか？位である。

では次の頁では、『シン･仮面ライダー』の良かった点と、どうしてもイマイチになってしまうのか点を挙げていこう。