東京で滋賀・長浜の観音めぐりが楽しめます!

2023/2/23 09:00 yamasan yamasan

JR東京駅八重洲北口から徒歩5分、日本橋2丁目に東京長浜観音堂がオープンしてから2年が経ちました。
一度閉館のアナウンスがあってこれからどうなるのかと思いましたが、今年度(令和4(2022)年度)も5月、8月、11月、令和5年2月と4期にわたって「観音の里」として知られる滋賀県北東部、琵琶湖に面した長浜市から観音様が東京に出張されました。


第2期展示 客人宮(伊弉冉尊) 十一面観音坐像(「日吉山王二十一社本地仏」のうち) 長浜市指定文化財
鎌倉時代 井口・日吉神社(高月観音の里歴史民俗資料館寄託)

そして、さらにうれしいことに今年度は来館するごとに観音様のカードがもらえて、4枚すべてを集めるとオリジナルカードケースがプレゼントされるという特典付きでした。
これは絶対に逃してはいけないと思い、しっかり4回おうかがいして、オリジナルカードケースをいただきました。


縦横それぞれ10cm、15cmのコンパクトサイズで、東京長浜観音堂の名称とロゴマークが入った淡いグリーンのおしゃれなカードケースです。

令和4年度第1期にお出ましいただいたのは聖観音立像でした。

第1期展示 聖観音立像 長浜市指定文化財
平安時代後期(12世紀) 常楽寺蔵

カードと一緒に解説カードもいただくことができます。
解説カードの表面は仏像の紹介で、裏面はお寺の来歴が書かれています。


地元では「山寺」として親しまれている常楽寺は、織田信長、木下藤吉郎(豊臣秀吉)の兵火により寺宝の多くを焼失し、明治期の神仏分離によって現在の地に再興したとのこと。
激動の歴史を経てもなお穏やかな表情をされた聖観音立像を拝んでいると心が和んできます。


オリジナルカードケースにはカードと解説を左右見開きでこのように入れました。


冒頭ご紹介した日吉山王二十一社本地仏は、現在残っている19躯のうち5躯が出陳されましたが、現在は高月観音の里歴史民俗資料館に寄託されているとのことですので、ぜひ19躯揃っているところを見に行きたいです。

交通の便が良くなかったり、現地へ行っても見られない仏様が見られるのも東京長浜観音堂ならではです。

第3期には、一般拝観を受け付けていない洞戸地蔵堂に祀られている木造地蔵菩薩立像が、普段は鞘仏(※)の中に納められている胎内仏とともに展示されていました。
(※鞘仏:胎内仏を納める仏像)

第3期展示 木造地蔵菩薩立像 鞘仏:江戸時代 胎内仏:室町時代
洞戸自治会(長浜市高月町洞戸)蔵

第4期(令和5年2月1日~2月28日)には、長浜市高月町宇根の十一面観音坐像(脇仏)が展示されています。


第4期展示 十一面観音坐像(脇仏)
江戸時代 冷水寺蔵

この冷水寺には、天正11年(1583)の賤ケ岳の合戦の際、柴田勝家軍に村が焼き討ちにされたとき、本尊が焼損、元禄年間に鞘仏をつくって旧本尊を胎内に納めたという、やはり壮絶な歴史がありました。

現在では住民手づくりの「冷水寺胎内仏資料館」がつくられていて、観音様はそこに祀られています。

360度どこからでも観音様を拝見できるのも東京長浜観音堂のいいところです。

後ろから失礼します。


これからも1年に4回、観音様が東京に出張されるとなると、5年で20の観音様にお会いできることになります。
何年かかければ東京に居ながらにして長浜の観音めぐりができてしまうという東京長浜観音堂。
来年度はどの観音様が来られるのか、今から楽しみです。

展示期間、開館時間等は同館公式サイトでご確認ください。
こんな素晴らしい空間が体験できるのに入場無料です!

公式サイト⇒東京長浜観音堂

東京長浜観音堂が入居している八重洲セントラルビル入口


東京長浜観音堂には長浜観光のパンフレットも置いてあるので、旅行前の情報収集にも便利です。


古い街並みの黒壁スクエア、豊臣秀吉の出世城として知られる長浜城、狩野永岳、岸駒らの障壁画で知られる大通寺など見どころいっぱい。

長浜は、今年の大河ドラマ「どうする家康」の主人公・徳川家康のライバル、石田三成の出身地でもあります。
関ヶ原の合戦に敗れたため、ドラマなどではどうしても仇敵のように描かれてしまいますが、現地では家臣や領民を大事にした武将として今でも慕われているので、イメージとは違う石田三成の人物像が見られるかもしれません。

昨年10月には3年ぶりに「観音の里ふるさとまつり」が復活して、普段は非公開の観音堂も開帳されたので、機会があればぜひ現地でも「観音めぐり」をしてみたいです。


長浜には今まで2回行ったことがありますが、写真は3年前に行った時の大通寺山門。この年(2019年)はちょうど宗祖・親鸞聖人750回御遠忌法要が開催される年にあたっていました。



長浜にはフィギュアで知られる海洋堂の「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁」もあります。
以前に海洋堂の仏像フィギュアのコラムも書いているので、ぜひこちらもご覧ください。

【フィギュアで再現!】立体曼荼羅の世界
https://ima.goo.ne.jp/column/article/11506.html