岡田将生・中井貴一主演の『ザ・トラベルナース』は『ドクターX』の2番煎じ?ドラマ内でも見られる医師と看護師あるあるとは?

2022/11/18 17:00 龍女 龍女

『ザ・トラベルナース』の原案者でメイン脚本家の
中園ミホ(1959年7月16日生れ)について、過去作を振り返ってみよう。


(中園ミホ イラストby龍女)

日本大学芸術学部放送学科卒業後、広告代理店OLから占い師を経て、脚本家になった。
ある大物脚本家を好きになって、追いかけていた結果、脚本家の修行をしていたことになったそうだ(TV番組『僕らの時代』にて)。

筆者が初めて中園ミホを認識して観たのは
月9の『やまとなでしこ』(2000年10月~12月)である。


(『やまとなでしこ』の松嶋菜々子 イラストby龍女)

日テレの水曜22時のドラマ、働く女性を主人公にしたドラマ枠で日芸の先輩(学科は文芸学科の方なので直接ではない)にあたる
林真理子(1954年4月1日生れ)の小説を原作とする
『anego』(2005年4月~6月)の主演を務めたのが
篠原涼子(1973年8月13日生れ)である。
そして同じ脚本家・主演コンビのオリジナル企画として同じ時間帯で放送された
『ハケンの品格』(2007年1月~3月)は大評判となった。
実はここで登場する主人公のスーパー派遣社員大前春子(篠原涼子)は、これ以降の中園ミホのシリーズドラマの主人公の型を決めた。


(『ハケンの品格』の篠原涼子 イラストby龍女)

特別なスキルを身につけた派遣労働の主人公である。
つまり、後にその年の優れたオリジナル脚本のTVドラマが選ばれる第31回の向田邦子賞を受賞した
『ドクターX』大門未知子(米倉涼子)も派遣の主人公という点では、大前春子と同じだ。
『ザ・トラベルナース』の主人公も派遣の看護師だ。
むしろ中園ミホの派遣のスーパーヒーロー第3弾と位置づけた方が正しいかもしれない。


(『ドクターX』の米倉涼子 イラストby龍女)

中園ミホはその後、日本のTVドラマの脚本家の頂点の仕事であるNHKの二つの看板番組もクリアした。
朝ドラは『花子とアン』(2014年4月~9月)


(『花子とアン』の仲間由紀恵 イラストby龍女)

大河ドラマは『西郷どん』(2018年)である。


(『西郷どん』で西郷隆盛を演じる鈴木亮平)

さて今回の中園ミホの新作は、期間限定で病院に派遣されて働く
「トラベルナース」である。
筆者は、アメリカで、各州の病院を渡り歩いているナースがいると言うニュースを耳にしていた。
コロナ禍でどの医療機関も人材不足にあえいでいるので、資格はあるが休業中の看護師を募集しているくらいである。
このドラマのスポンサーにも、看護師の派遣会社のナースパワーがいるくらいだから、そういったメッセージも含まれた内容でもあるのだ。
筆者が想像していたより速くドラマに取り上げられたので、その興味もあって楽しく観ている現状である。


次のページでは、筆者が5回までの『ザ・トラベルナース』のエピソードを振り返りつつ、イラストを描きながら看護師の母と会話した中で見つけた看護師あるあるを紹介していこう。

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