長澤まさみ主演『エルピス-希望、あるいは災い-』を制作するために『カルテット』のプロデューサー佐野亜裕美がTBSを辞めて関西テレビに転職した理由とは?

2022/11/11 17:00 龍女 龍女

ドラマの舞台は2018年の春から始まる。
大洋テレビのアナウンサー浅川恵那(長澤まさみ)は、かつてニュース番組のサブキャスターとしてエリート路線を歩んでいた。


(長澤まさみ イラストby龍女)

しかし、報道局のエース記者斉藤正一(鈴木亮平)との路チュー写真が週刊誌に取り上げられ
左遷されて深夜バラエティ番組『フライデーボンボン』の1コーナーを担当するのが現状である。


(鈴木亮平 イラストby龍女)

恵那は、『フライデーボンボン』の若手ディレクター岸本拓朗(眞栄田郷敦)から、ある事件を取り上げて欲しいと頼まれる。
10年以上前に神奈川県の八飛市で起こった八頭尾山少女連続殺人事件で逮捕された死刑囚についてだった。
最高裁で確定して収監中の松本良夫(片岡正二郎)が冤罪であると言いだしたのだ。


(真栄田郷敦 イラストby龍女)

恵那は当時サブキャスター時代に取り上げた事件だったので、最初は乗り気でなかった。
実は岸本拓朗が恵那に声をかけたのには理由があった。
番組のヘアメイク担当の大山さくら(三浦透子)が脅していたのだ。
拓朗が、番組で活躍するタレントのボンボンガールズの1人を口説いていた。
スタッフがボンボンガールを口説くことは禁止されていた。
さくらはそれをICレコーダーで録音していたのだ。


(三浦透子 イラストby龍女)

再び八頭尾山中で行方不明だった少女が遺体で発見された。
恵那は冤罪の可能性を信じ始めた。
恵那はさくらから話を聞くことにした。
大山さくらは事件のあった当時は八飛市の15歳の少女で、松本良夫の家に居候していた。
さくらの母の内縁の夫が自分を虐待するので、居場所がなかった。
その証拠に、いつもしている左手の赤い手袋を外して手のひらに残る深い傷跡をみせた。
松本良夫とは、近所のおじさんとして遊びに行っている内に仲良くなったのだ。
ところが、殺人事件の容疑者としてマスコミに報道されたときに、自分が一緒にいたために余計疑われたのではないかと、悔やんでいた。
さくらは、松本良夫を殺人事件の犯人ではないと確信していたが、頼るモノがおらず色々とツテを探している最中であった。


この後、恵那と拓朗は冤罪事件の調査報道を始めることになる。
TV局内部や事件現場近くでも次々と困難が待ち受ける。
2人と、恵那の元恋人の斉藤正一はどう関わってくるのか?
社会派エンターテイメントである。

ではその次は、このドラマで明かされていく主人公達の困難が、現実のドラマ制作でもあったらしいことを紹介していこう。
その鍵を握る人物がプロデューサーの佐野亜裕美である。

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