七色の声を持つ男、声優界のレジェンド山寺宏一が大河ドラマ初出演!三谷幸喜脚本の『鎌倉殿の13人』で慈円役にどうして選ばれた?

2022/9/1 22:00 龍女 龍女

今回のコラムの主役は声優で俳優の山寺宏一(1961年6月17日生れ)である。


(所属事務所の宣材写真から引用 イラストby龍女)

1997年10月から2016年3月までテレ東の朝の番組『おはスタ』の司会を務めていた。
前半のキャリアの中で、主に顔を出して仕事をしていたのはこれだ。
筆者は大学生だったので、小学生向けの雑誌『月刊コロコロコミックス』のテレビ版として始まった番組に関してあまりよく知らない。
しかし、山寺宏一が発した挨拶「おーはー」が、2000年に香取慎吾が扮する慎吾ママの挨拶「おっはー」として流行語大賞になったことは知っている。
慎吾ママの方は元々フジテレビのバラエティ番組『サタ☆スマ』(1998年11月~2002年3月)から出てきたキャラクターだ。

筆者は90年代半ばまでは熱心にゴールデンタイムのTVアニメを観ていた。
山寺宏一が役柄が大きくなって出世していく様子は覚えている。
当時から、声優としての演技力がずば抜けていた。
ちなみに筆者が一発芸として山寺宏一の演じた役でモノマネ出来るのは『らんま1/2』のPちゃんの鳴き声である。

日テレで特番として放送されている『ものまねグランプリ』では圧倒的に多いレパートーリーを駆使して、いつも優勝候補の名人芸を披露している。
中でも2012年4月に放送されたパフォーマンスが圧巻だった。
1985年のチャリティソング『ウィ・アー・ザ・ワールド』 である。
山寺宏一は参加したアーティストの男性パートを全て担当し、荒牧陽子が女性パートを担当したコラボパフォーマンスであった。

さて今回取り上げた理由は、『鎌倉殿の13人』で、初めて大河ドラマに出ることになったからである。
その役が慈円と聞いて、
「おお、流石、山ちゃん!出番少ないだろうけど大物やるじゃん」
と歴史好きの筆者はついつい何様のつもりか感心してしまった。

そこで慈円とは何者か?
山寺宏一は、過去にも三谷幸喜作品に出ているので、どういう役を経て、この配役が決まったのか?
筆者なりの答えが出たので、解き明かしていこう。

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