読書嫌いは芦田愛菜の著書『まなの本棚』にまなぶべき!?芦田愛菜式読書法に読書感想文が楽に書けるヒントがあった!

2022/8/19 17:30 龍女 龍女

読書感想文には、課題図書か自由に選ぶものがあると考えられるが、主流はおそらく課題図書であろう。
しかし、いきなり興味のない課題図書を読書感想文で書こうとすると、本が嫌いと感じている人にはハードルが高すぎる。
『まなの本棚』のPRを兼ねて、週刊朝日での作家林真理子との対談で、読書感想文に関しての鋭い指摘があった。


林:うちの娘、いま大学3年生なんですけど、まるっきり本を読まないんですよ。子どものころ『赤毛のアン』を渡したら、「こんなきれいごと、フン!」とか、「ウザい!」って言うんです。

芦田:アハハハ。

林:「家の本棚に本があったら、子どもはみんな読みますよ」と言う人がいたんだけど、まったくそれは間違いで、うち、渡り廊下に書棚があって、本が2千冊ぐらいあるんです。

芦田:わぁ、すごぉい!!

林:だけど娘は、そこを毎日通りながら、まったく読まないの。なんで本を読む楽しさをわかってくれないんだろうと思って、ほんとに悲しくなっちゃうんです。本が嫌いになるきっかけの一つに、夏休みに読書感想文を書かされるというのがあると思うんですけど、そういうことはありませんでした?

芦田:強制されて読む本は、自分で選んだ本よりかはおもしろさが減ってしまうというか、やっぱりあんまり積極的になれませんでしたね。


(2019年08月24日付の朝日新聞社系のWEB記事から週刊朝日の対談からの抜粋。右から林真理子と芦田愛菜 イラストby龍女)


このコラムのテーマを否定されかねない問いかけではある。
しかし、読書感想文を書かされるところから逃げるのはもったいない。
正直、筆者は読書感想文に関してコンクールで受賞した経験はないが、苦痛に感じた記憶もない。
対談でも指摘されたように、感想文を書きやすくなる方法はある。
自分で選んだ本を使った、読書感想文を書くのはいかがだろうか?
そもそも、本が嫌いだと読むのも辛いし、文自体が書く事も苦痛な人がいる。
本が嫌いな人はそもそも周囲に本好きな大人がいなかった人も多かろう。
本の楽しい読み方を知らないのだ。
本が好きな人は遊びの延長で数ある選択肢の中で本を選んだのに過ぎない。
本好きでも林真理子のようにどんな本を読むべきか強制すると、娘が親の反動で本嫌いになるケースも考えられる。
別の角度から推察するに、大学まで進学しているので、まったく本を読んでいない事はあり得ない。
おそらく林真理子の娘は、母親が背負っている文学少女臭が嫌いなだけで、まったく別のジャンルの本を好んでいる可能性もある。
筆者はそこそこ本好きではあるが、親と、同じ本は読まない。
母が太宰治が好きだったので、自身は三島由紀夫を選んだ。
父は歴史小説が好きだが、歴史学者の本の方が好みだ。
両親が強制せずにどんな本を読んでも良い環境を作り、読んだ本の話題が家族の会話や友人の会話に含まれていると、その子は本好きになる。
その最も分かり易い例が芦田愛菜である。

『まなの本棚』第一章 語り出した止まらない! 芦田愛菜の読書愛
この中の「背表紙がキラリと光って見えるんです」と言う項の中に重要な一文があった。

 もし、どんなふうに自分にとっての「運命の一冊」に出会えるのか考えるなら、まずは「大好き!」「これについてもっと知りたい!」と思えるような、興味の源をたどっていって、その感心にまつわる本を探していく事かなって思っています。(27頁1行目~4行目)

この後に、具体例が並べてある。
要約すると

「ゲーム好き」
①RPGのように物語形式で進む
②ゲーム攻略
③ゲーム開発者の著書

「野球好き」
①野球小説:主人公が頑張る、或いはチームのメンバー達の友情物語
②プロ野球選手が書いた本
③野球の歴史やトリビア

そこを入り口として、またつぎつぎと本の世界も自分の興味も広がっていくんじゃないでしょうか。(27頁11行目~12行目)

これを他に好きなジャンルに応用すると、
①好きなジャンルにまつわる物語
②好きなジャンルの専門家が書いた本
③好きなジャンルの歴史やトリビア
と整理される。

とここで、いったん課題図書は何だったか振り返ってみよう。
課題図書の表現形式はなんだろうか?
この三つのうちどれかに当てはまるはずだ。
課題図書はジャンルに関しては好きではないかもしれないが、「物語」か「専門書」か「歴史」か読書感想文で取り上げたい形式をなんとなく選ぶ。
好きなジャンルの同じ形式の本を読んで、書く準備をしてみる。
読書感想文のコンクールの場合、応募要項があるので、字数制限と選ぶ本の形式に気をつけて、そのルールを守って書く事が最低条件だ。
コンクールに出す目的がなくても、コンクールに受賞できなくても、文章を書くルールを知る事は、重要だ。
相手に自分が何を考えているか、分かり易く伝える手段を手に入れる事が出来る。
読書感想文を書く事は決して無駄ではない。

さて本が決まったら、最後まで読み切ろう。

読むのが苦手な人は分厚そうな本を読むのは避けた方が良い。
自分にとって簡単すぎる本を選ぶのも安易ですすめないが、難しすぎるのは文を書くと挫折してしまうので、ちょっと難しそうなモノを感覚的に選んで欲しい。
では、どうやって読書感想文を書くか?
大まか流れを次の頁で取り上げてみよう。

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