大坂なおみはこれからどんな選手をめざすべきなのか?ウィル・スミス主演の『ドリームプラン』にそのヒントがあった!
この映画の素晴らしいところは、美談として描いていない。
リチャード・ウィリアムズの問題点を余すところなく描いているのだ。
実はこの作品のシナリオは、リチャード側から描いたというより、娘たちと母オラシーンから描いているとしか思えない描写が数多く登場してくるのだ。
フロリダにはフロリダ・ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートがある。
リチャードはディズニーの名作映画『シンデレラ』のヴィデオを教材にプロテニスプレイヤーに大切な礼節を教えようとしている場面があった。
「謙虚さを持て」
リチャードはそう娘たちに語りかける。
こうして、ウィリアムズ姉妹が拓いた道は、同じように経済力が決して豊かでなかったという大坂家の誰かが世界一のプロテニス選手に成れるという自信を植え付けた。
姉のまりは、テニス選手として大成できなかったが、デザイナーの道を歩むことになった。
ヴィーナスとセリーナの異父姉のイーシャ・プライスも優秀で弁護士になった。
イーシャは現在妹たちの顧問弁護士を務めている。
まりは現在なおみとアパレルブランドのデザイナーとして活動中だ。
自分なりにできることを見つけるヒントにもなった。
ウィリアムズ姉妹とその父の物語は、ただの成功物語として消費するにはもったいない。
この映画のシナリオのチェックには、顧問弁護士のイーシャ・プライスがあたっている。
制作総指揮。つまり、映画の資金集めに大切な人の名前の中にヴィーナスもセリーナもある。
映画のクライマックスの前に、リチャードとオラシーンが口論をする場面が登場するのだ。
ここで勘のいい人は分かるだろう。
リチャード・ウィリアムズが何故ヴィーナスとセリーナを世界的女子テニスプレイヤーに育てられた理由を。
リチャード・ウィリアムズ一人ではテニスを教えることは無理だ。
彼が考えた計画は大まかな方向性としては間違っていない。
しかし、実務的なコーチとして本当に二人を育てたのは、看護師でテニス経験者でもあった母オラシーンなのだ。
(母オラシーン・プライスを演じたアンジャニュー・エリスと、本人 イラストby龍女)
この映画で取り上げられた時代(1986~1995)後の、2002年にリチャードとオラシーンは離婚している。
一般ニュース的にはリチャードの女性関係がどうのこうと書きがちだ。
根本的な原因はリチャードのモラルハラスメントである。
『シンデレラ』を娘たちに見せて「謙虚さが大事だ」と言っておきながら、配偶者であるオラシーンにはその功績を素直に認めようとしなかったのではないか?
ここでこの映画が原題が『ドリームプラン』と言う美談めいたモノでは無く、あだ名『キング・リチャード』と皮肉を込めてついている理由が分かる。
テニスに限らず、一定の成功をした後に子供達に口を出してくる親は殆ど邪魔でしかない。
恩を押しつけてくる感情に走りがちになるからだ。
賢明な親は、子離れをしなければ、子供の成功の持続を妨害しかねない。
大坂なおみのジュニア時代のコーチが、コーチ料未払いで訴えた問題がある。
チャンピオンクラスのプレイヤーになると大きな金が動いてくるので、トラブルも多く生じてくる。
どうもその約束をしたのが、父親のフランソワ氏であるらしい。
女子テニス選手は、女子スポーツ界でも賞金がトップクラスで、スポンサーを含めると多大な収入を得ることが出来る。
社会の中で、女性の憧れの存在、いわゆるロールモデルになる存在だ。
ヴィーナスとセリーナにリチャードはアフリカ系の地位向上の手本になることを求めた。
大坂なおみはそれに加えて、父親のハイチと母親の日本の二つのルーツを持っているので、アジア系のテニスプレイヤーの手本という大きな役割も担っている。
勝つということが、勝負事に勝って嬉しいだけでは済まされない社会的責任が伴うのだ。
それをどうこう言う権利はすでに両親にはない。
選手自らが考え、決めたことを試合の中でも外でも表現することが求められている。
それが出来るのは親の世代ではない。
ヴィジュアルのイメージはデザイナーに転じた姉のまりの服である。
自分の考え方を言語化して表現するのが上手いラッパーの彼氏コーデー(1997年8月26日)の協力で支えられるようになった。
大坂なおみの政治的発言について、あたかも彼氏の言葉を鵜呑みにしていると誹謗中傷する向きもあった。
しかし、SNSでも自分の署名で意見を書くと言うことは、自分の意見だと判断される。
大坂なおみはまだ24歳である。
伊達公子が一度引退した年齢が25歳である。
リチャードがヴィーナスとセリーナの将来について懸念していた年齢が20代前半だ。
現役選手で燃え尽きない為にはどうしたら良いのか?
大坂なおみは成功を持続するための分岐点に立っているのである。
(2022年メルボルン・サマー・セット1の2回戦の大坂なおみ。 イラストby龍女)
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リチャード・ウィリアムズの問題点を余すところなく描いているのだ。
実はこの作品のシナリオは、リチャード側から描いたというより、娘たちと母オラシーンから描いているとしか思えない描写が数多く登場してくるのだ。
フロリダにはフロリダ・ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートがある。
リチャードはディズニーの名作映画『シンデレラ』のヴィデオを教材にプロテニスプレイヤーに大切な礼節を教えようとしている場面があった。
「謙虚さを持て」
リチャードはそう娘たちに語りかける。
こうして、ウィリアムズ姉妹が拓いた道は、同じように経済力が決して豊かでなかったという大坂家の誰かが世界一のプロテニス選手に成れるという自信を植え付けた。
姉のまりは、テニス選手として大成できなかったが、デザイナーの道を歩むことになった。
ヴィーナスとセリーナの異父姉のイーシャ・プライスも優秀で弁護士になった。
イーシャは現在妹たちの顧問弁護士を務めている。
まりは現在なおみとアパレルブランドのデザイナーとして活動中だ。
自分なりにできることを見つけるヒントにもなった。
ウィリアムズ姉妹とその父の物語は、ただの成功物語として消費するにはもったいない。
この映画のシナリオのチェックには、顧問弁護士のイーシャ・プライスがあたっている。
制作総指揮。つまり、映画の資金集めに大切な人の名前の中にヴィーナスもセリーナもある。
映画のクライマックスの前に、リチャードとオラシーンが口論をする場面が登場するのだ。
ここで勘のいい人は分かるだろう。
リチャード・ウィリアムズが何故ヴィーナスとセリーナを世界的女子テニスプレイヤーに育てられた理由を。
リチャード・ウィリアムズ一人ではテニスを教えることは無理だ。
彼が考えた計画は大まかな方向性としては間違っていない。
しかし、実務的なコーチとして本当に二人を育てたのは、看護師でテニス経験者でもあった母オラシーンなのだ。
(母オラシーン・プライスを演じたアンジャニュー・エリスと、本人 イラストby龍女)
この映画で取り上げられた時代(1986~1995)後の、2002年にリチャードとオラシーンは離婚している。
一般ニュース的にはリチャードの女性関係がどうのこうと書きがちだ。
根本的な原因はリチャードのモラルハラスメントである。
『シンデレラ』を娘たちに見せて「謙虚さが大事だ」と言っておきながら、配偶者であるオラシーンにはその功績を素直に認めようとしなかったのではないか?
ここでこの映画が原題が『ドリームプラン』と言う美談めいたモノでは無く、あだ名『キング・リチャード』と皮肉を込めてついている理由が分かる。
テニスに限らず、一定の成功をした後に子供達に口を出してくる親は殆ど邪魔でしかない。
恩を押しつけてくる感情に走りがちになるからだ。
賢明な親は、子離れをしなければ、子供の成功の持続を妨害しかねない。
大坂なおみのジュニア時代のコーチが、コーチ料未払いで訴えた問題がある。
チャンピオンクラスのプレイヤーになると大きな金が動いてくるので、トラブルも多く生じてくる。
どうもその約束をしたのが、父親のフランソワ氏であるらしい。
女子テニス選手は、女子スポーツ界でも賞金がトップクラスで、スポンサーを含めると多大な収入を得ることが出来る。
社会の中で、女性の憧れの存在、いわゆるロールモデルになる存在だ。
ヴィーナスとセリーナにリチャードはアフリカ系の地位向上の手本になることを求めた。
大坂なおみはそれに加えて、父親のハイチと母親の日本の二つのルーツを持っているので、アジア系のテニスプレイヤーの手本という大きな役割も担っている。
勝つということが、勝負事に勝って嬉しいだけでは済まされない社会的責任が伴うのだ。
それをどうこう言う権利はすでに両親にはない。
選手自らが考え、決めたことを試合の中でも外でも表現することが求められている。
それが出来るのは親の世代ではない。
ヴィジュアルのイメージはデザイナーに転じた姉のまりの服である。
自分の考え方を言語化して表現するのが上手いラッパーの彼氏コーデー(1997年8月26日)の協力で支えられるようになった。
大坂なおみの政治的発言について、あたかも彼氏の言葉を鵜呑みにしていると誹謗中傷する向きもあった。
しかし、SNSでも自分の署名で意見を書くと言うことは、自分の意見だと判断される。
大坂なおみはまだ24歳である。
伊達公子が一度引退した年齢が25歳である。
リチャードがヴィーナスとセリーナの将来について懸念していた年齢が20代前半だ。
現役選手で燃え尽きない為にはどうしたら良いのか?
大坂なおみは成功を持続するための分岐点に立っているのである。
(2022年メルボルン・サマー・セット1の2回戦の大坂なおみ。 イラストby龍女)
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