今回のコラムのテーマは、大坂なおみ（1997年10月16日生れ）が世界トップクラスのテニスプレイヤーになった理由が分かる映画『ドリームプラン』である。
しかし、大坂なおみが出てくる内容ではない。


（全米オープン決勝の表彰式。優勝して泣く大坂なおみに寄り添う準優勝者のセリーナ・ウィリアムズ　イラストby龍女）

本編はヴィーナス（1980年6月17日生れ）とセリーナ（1981年9月26日生れ）の世界一の女子テニスプレイヤー、ウィリアムズ姉妹を育てたリチャード・ウィリアムズ（1942年2月14日生れ）が主人公のテニス映画である。
（リチャードを演じたウィル・スミス（1968年9月25日生れ）は、アカデミー賞主演男優賞候補に挙がり、『パワー・オブ・ザ・ドック』のベネディクト・カンバーバッチと並ぶ最有力である）


（左からセリーナ、ヴィーナス。　イラストby龍女）


（リチャード・ウィリアムズを演じたウィル・スミスと、リチャード・ウィリアムズ本人　イラストby龍女）

では、何故それが大坂なおみと関係があるのだろう？
実は、リチャードが娘たちを超一流のテニスプレイヤーに育てた過程が、大坂なおみを育てるヒントになったのだ。
それが端的に分かる具体的な事がある。

ウィリアムズ姉妹は元々、ギャングスターラップを生み出したカリフォルニア州ロスアンゼルスのコンプトン地区という貧困地帯に住んでいた。
しかし、ヴィーナスが11歳頃に、すでに就職していた5人姉妹の長女を除いてウィリアムズ一家全員でフロリダに引っ越している。
（ヴィーナスとセリーナは5人姉妹の末の方の2人。3人の姉は、母オラシーンが前夫との間にもうけた連れ子）

一方、大坂なおみの場合はハイチ移民のレオナルド・フランソワと大坂環が大阪市で知り合い結婚。
なおみは姉・まりの影響で3歳でテニスを始める。
2001年、4歳の頃に親戚がいたニューヨーク州のロングアイランドに移住。
2006年にフロリダ州に引っ越した。

大坂家の人々がフロリダに引っ越した理由がある。
次はフロリダとテニスの関係を観ていこう。（ネタバレを含む）