山田涼介主演、土屋太鳳共演『大怪獣のあとしまつ』の監督・脚本の三木聡は、万人にお勧めできない!その理由とは?

2022/2/10 18:00 龍女 龍女

観客として、何を期待をして観賞しただろうか?
映画を選ぶ動機は様々あるだろう。
主役はHey! Say! JUMPの山田涼介(1993年5月9日生れ)だから、ファンの方もいるに違いない。
ヒロイン役が土屋太鳳(1995年2月3日生れ)なので、そちらのファンもいるに違いない。

筆者の目的は三木聡だった。

この映画は、一連の怪獣映画のパロディなのだ。
内閣総理大臣の西大立目 完(にしおおたちめ かん)役の西田敏行は映画の公式パンフレットのインタビューでも「パロディ」と言っている。

しかし、怪獣映画ファンで本格シミュレーション大作を期待して見に行った人がいたら、そりゃ駄作にみえるのは仕方がない。
しかも、下ネタやシュールでマニアックなギャグのオンパレードだ。
筆者はそれを期待して観に行ったので、何カ所か笑った。

三木聡作品には初監督作品の『ダメジン』(2002年撮影。公開は2006年で三作目)から常連の俳優がいる。
実の妻であるふせえり(1962年9月22日生れ)。
今回は環境大臣の蓮佛紗百合を演じている。
パフォーマンスに走る政治家で、知っている人なら某女性政治家を二人くっつけたような役名であることは明らかである。


(2020年7月31日放送『徹子の部屋』のHPのバックナンバーから引用 イラストby龍女)

もう一人は、岩松了(1952年3月26日生れ)だ。
劇作家・演出家でもあり、1989年に日本演劇界の登竜門である岸田國士戯曲賞を受賞した。
2013年に主演した映画『ペコロスの母に会いに行く』は日本で最も老舗の映画雑誌キネマ旬報の日本映画ベスト・ワンに選ばれた。
国防大臣の五百蔵 睦道(いおろい ぼくどう)を演じている。
訳の分からない例えを言って、場をシラケさせるおっさんである。


(所属事務所・鈍牛倶楽部の宣材写真から引用 イラストby龍女)

同じく三木聡が監督を務めた『亀は意外と速く泳ぐ』(2005年)ではこの二人が某国のスパイをしている夫婦役で登場する。
こちらの方も相変わらずの小ネタの羅列なのだが、そこそこ面白いのでおすすめ。

『大怪獣のあとしまつ』に対して何が辛くて、こんなモノを観させられているのかと怒りまくった人も多いだろう。
多分、上映中の映画館で笑っていたのは筆者だけでは無いかと言うくらい、シーンとした客席であった。

なんせうっかりフジテレビの深夜バラエティ番組『世界で一番くだらない番組』(1990年)に出逢ってしまい、そのくだらなさにハマってしまった。
後にこの番組の構成作家の一人が三木聡だと知って、シュールでマニアックな笑いの虜になってしまった。

いってみれば『大怪獣のあとしまつ』は『世界一くだらない番組』で出てきた小ネタの延長線上にある。
今回の映画は、結局、某猫型ロボットのぬいぐるみが流されていく「ドザエモン」と発想が変わらない。
真面目な方々にはとてもお勧めできない。


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