新垣結衣が星野源と結婚したことでとある変化が!?竹内まりやの『元気を出して』が流れるアサヒビールのCMにヒントがあった?

2021/12/8 22:00 龍女 龍女

リーガル・ハイの黛真知子

本題に入る前に、『リーガル・ハイ』までの新垣結衣の活躍を簡単に紹介しよう。
姉に勧められて女子小中生向けの雑誌『ニコラ』の専属モデルとしてデビュー(2001~2005年春)。
2004年頃から女優としても活動を始める。
2005年7月から9月までのドラマ、阿部寛主演の漫画原作のTBS金曜ドラマ『ドラゴン桜』の香坂よしの役が、初のゴールデンタイムの大きな役柄であった。

新垣結衣の名前を大きく印象づけた作品は、江崎グリコのポッキーのCMのダンスである。
同じ沖縄出身のバンドORANGE RANGEの『DANCE2 feat.ソイソース』に合わせ、ポッキーを持って踊っている。

後に『あさが来た』『青天を衝け』を手がける大森美香脚本の韓国ドラマのリメイク、『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(2006年7月~9月)では、主役長瀬智也の相手役を務める。

2007年の3本目の映画出演作『恋空』では、過酷な経験をする女子高生を演じて、日本アカデミー賞の新人賞をとる。
これ以降は徐々に女子高生の役からオトナの役に移行していく。

モデルからキャリアを始めた影響で、ギャルの役柄が多かったが、全体的に派手なイメージはない。


初めてのドラマシリーズのレギュラーになったのが、『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』(2008年7月~9月、2010年1月~3月、2017年7月~9月)である。

筆者がおすすめのマンガ実写化作品の単発『らんま1/2』の天童あかね役を経て、いよいよ古沢良太脚本の法廷コメディ『リーガル・ハイ』(2012年4月~6月)に出演することになる。

彼女が演じた黛真知子は正義感あふれる新米弁護士である。
対して雇用先の弁護士事務所を経営しているのが、堺雅人(1973年10月14日生れ)扮する古美門研介である。
黛真知子とは対照的な、エゴの塊で早口の偏屈な男である。


(『リーガルハイ』の古美門研介と黛真知子 イラストby龍女)

古美門はあだ名を付けるのが得意で、黛真知子を
朝ドラと呼んでいる。


(『リーガルハイ』の黛真知子の変顔)

朝ドラのヒロインの典型的なイメージと言えば、家庭の事情で苦労したヒロインが前向きな性格で働きながら成功していく、であろう。
この場合の黛真知子は、朝ドラのヒロインに多い地方出身の上京した女性には当てはまらないが、負けん気の強さでは朝ドラのヒロインにふさわしい性格の持ち主である。

しかし、黛真知子を演じた新垣結衣は、朝ドラへの出演経験はない。
だが、20代の若手女優と呼ばれる主演俳優を目指す人材が、朝ドラのヒロインのオーディションを受けたことがない筈がなかろう。
公表こそされていないが、何度かオーディションを受けて落ちている可能性はあるかもしれない。
朝ドラのヒロインに合格した俳優たちは、以前にも朝ドラのオーディションを受けた経験を公言している。

コードブルーで共演した親しい友人である比嘉愛未(1986年6月14日生れ)は『どんど晴れ』(2007年4月~9月)、戸田恵梨香は(1988年8月17日生れ)は『スカーレット』(2019年10月~2020年3月)で朝ドラのヒロインを務めている。

朝ドラのヒロインを務めるには、もちろん、持ち前の明るさなどのメジャー性も必要だ。
しかし、相反する要素も必要になってくる。
毎回朝ドラでは、主人公が夢中になる何かが重要なモチーフになってくる。
つまり、ある種のマニアックさも持ち合わせていないと、ヒロインに選ばれる決定打にはならない。
これを別の言い方に変えると「癖」と呼んでも良いかもしれない。
新垣結衣には、今のところ朝ドラヒロインに選ばれる一押しの「癖」が存在しない。

来年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、源頼朝の最初の妻、八重役で登場する。
NHKのテレビドラマ出演は、『絆〜走れ奇跡の子馬〜』(2017年3月23・24日)以来の2作品目である。
また、時代劇は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』の戦国時代部分を実写化した『BALLAD 名もなき恋のうた』(2009年)以来、2本目である。

代表作となった『逃げるは恥だが役に立つ』に観られるように、主に現代劇におけるキャリア志向の女性を演じてきた新垣結衣だが、結婚を機にその役柄も替わりつつあるようだ。


そんな中、筆者が目についたCM出演が『アサヒ生ビール』である。
このCMについての分析と、流れていた竹内まりやの音楽性が、新垣結衣とどういう関係を持っているか考察していこう。

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