大泉洋と戸次重幸と森崎博之と安田顕と音尾琢真…頼りない北海道の男5人組の作品、『がんばれ!TEAM NACS』で出てくる問題とは何か?

2021/9/1 22:00 龍女 龍女

③がんばれ!TEAM NACSはどんな作品?

この作品はズバリ、モキュメンタリーである。
「映画やテレビ番組のジャンルの1つで、フィクションを、ドキュメンタリー映像のように見せかけて演出する表現手法である」(weblio辞書より) とある。


6月19日に行われた完成報告会見では、森崎博之が

「随分先の企画だと思っていたら、マネージャーから来週撮影ですと言われ、ほぼ準備もなく撮影に入りました。撮影は気がついたら終了していて、記憶は曖昧。これは、僕たちの生態を撮ってもらった“フェイクドキュメンタリー”です」

と、フェイク・ドキュメンタリーと説明している。
フェイク・ドキュメンタリーとモキュメンタリーは、同じことを指す言葉だ。
フェイク・ドキュメンタリーが和製英語で、モキュメンタリーが他の言い方を含めて一番集約された言葉に過ぎない。

内容を簡単に言うと、TEAM NACS結成25周年を記念してWOWOWとコラボしてどんな企画をするかという過程を見せていくドキュメンタリー風のフィクションである。
フィクションながら、5人のキャラクターが生かされた設定で展開されていくので、嘘だと分かっていてもリアルなのである。

最初は音尾琢真監督脚本の特撮ドラマ『バック・トゥ・ザ・戦隊・フューチャーズ』という人気映画シリーズ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にオマージュを捧げた作品の撮影をしていたはずなのに、話は別方向へ転がっていく展開を見せる。
大泉洋主体で北海道のご当地ソングを作ろうとして色々なミュージシャンに声をかけてみたら思わぬ人が出てくる。
戸次重幸主体でTEAM NACSの新メンバーのオーディションが開催されたら、合格者の人選がある方向に偏ってたりと、とにかく腹を抱えて笑ってしまった。

フィクションなのに、この人ならやりかねないと思わせる展開は、周りのスタッフがTEAM NACSのファンだからだろう。
タイトルの元ネタ、『がんばれ!ベアーズ』は、アメリカのコメディ映画で、問題児ばかりの弱小リトルリーグの野球チームの成長物語だった。
さてこの『がんばれ!TEAM NACS』で出てくる問題とは何か?
是非、このコラムをヒントに見てほしい作品である。


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