大泉洋と戸次重幸と森崎博之と安田顕と音尾琢真…頼りない北海道の男5人組の作品、『がんばれ!TEAM NACS』で出てくる問題とは何か?

2021/9/1 22:00 龍女 龍女

②それぞれの出演作


(『探偵はBARにいる3』から引用 イラストby龍女)

第一回のコラムで取り上げなかった筆者が大好きな大泉洋の主演作を紹介する。
『探偵はBARにいる』シリーズだ。
北海道の繁華街ススキノを根城に働く、探偵で名前は明かされない。
第1作が2011年、第2作が2013年、第3作が2017年に公開されている。
探偵モノには欠かせない相棒役が松田龍平で、ハードボイルドもののシリーズとして今後も続いてほしいが、なんせ大泉洋は、主役級のドラマ映画の仕事が目白押しの超売れっ子である。
いつになったら続編は作られるのだろう?
次回作では、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で題名に登場する「鎌倉殿」こと源頼朝を演じる。


(『宇宙犬作戦』DVD-BOXから引用 イラストby龍女)

戸次重幸はオタクの側面がある。
特に有名なのは、一人で『天空の城ラピュタ』の1シーンを再現する「一人ラピュタ」だ。
ガンダムシリーズのファンでもあるのだが、俳優としてはアメリカの長寿SFTVシリーズ・スタートレックの邦題『宇宙大作戦』をもじったコメディ『宇宙犬作戦』(2010年7月~12月)の主人公、マルコ・ハヤシを演じた。
『スタートレック』の第1シリーズの主人公ジェームス・T・カークをモデルにしているので、女好きという設定になっていた。
月9の『監察医 朝顔』(2019年7月~9月)では刑事の山倉伸彦を演じていたが、間の悪いキャラクターで、ピッタリだった。
最新作は、来年の朝ドラ『ちむちむどんどん』で、民俗学者の青柳史彦役だという。


(ホクレン『拓くぞ!未来』プロジェクトHPから引用 イラストby龍女)

森崎博之の代表作と呼べるのは、役柄では無く北海道放送(HBCテレビ)の農業番組の『あぐり王国北海道NEXT』だろう。
この番組は前身の『森崎博之のあぐり王国北海道』が放送開始された2008年の7月から13年続く長寿番組である。
スポンサーのJAグループ北海道の一つホクレンのアンバサダーにも森崎博之は選ばれており、イラストはそれを引用している。
大泉洋がよくものまねする口癖が「おい、お前たち!」なので、そんな吹き出しが似合いそうなポーズを選んだ。


(カメラのキタムラのCMから引用 イラストby龍女)

安田顕はTEAM NACSの5人の中では最も役の幅が広い。
気のいい兄ちゃん(朝ドラ『瞳』)、ゲイのパティシエ(『問題のあるレストラン』2015年1月~3月)、偽変態仮面(『HK変態仮面』2013年)、庵野秀明(『アオイホノオ』2014年7月~9月)、思春期の娘が心配な父親(『スープカレー』)、和菓子職人(『なつぞら』)などなど。
最も有名な役柄は『下町ロケット』(2015年10月~12月)の技術開発部部長の山崎光彦だろう。
イラストに採用したのは、カメラのキタムラのCMに登場する、カメラを買い換えようか迷うオジサンである。


(映画『孤狼の血』から引用 イラストby龍女)

音尾琢真は、TEAM NACSのメンバー中、もっとも運動を得意とするため警察・ヤクザ・幕末の侍と言ったアクションものによく登場するキャラクターに扮することが多い。
TVドラマの中でおそらく一番有名な役柄は、半沢直樹でお馴染みの経済小説家・池井戸潤原作の『陸王』(2017年10月~12月)の陸上部監督・城戸昭宏であろう。
また、大河ドラマでは『龍馬伝』(2010年)の望月亀弥太、『花燃ゆ』(2015年)の品川弥二郎といった幕末の志士役だ。
イラストに採用したのは、常連として数々出演している白石和彌監督の作品の中の『孤狼の血』(2018年)の暴力団加古村組の構成員・吉田滋に扮しているところである。

TEAM NACSの5人が全員出ているテレビドラマもいくつかある(2012年4月から6月放送の『スープカレー』等)が、動画配信で一番観やすそうなモノとして、北海道を舞台にした朝ドラ『なつぞら』(2019年4月~9月)を特に挙げておこう。


TEAM NACSの5人全員が出る最新作が『がんばれ!TEAM NACS』である。
それまでは別の役名があったが、今回は本人役なのである。
どういうことなのか?次のページで説明していこう。

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