不気味な笑顔の魔術師!『緊急取調室』出演中の小日向文世は善人?それとも悪人なのか?

2021/7/21 22:00 龍女 龍女

③あの人とそっくりなのを利用した三谷幸喜の配役の妙!
2016年に大河ドラマ『真田丸』が放送された。
主役の真田信繁(幸村)は、堺雅人である。
小日向文世は天下人・豊臣秀吉を演じた。
堺雅人は、若い頃の小日向文世にそっくりなのだ。
史実では秀吉と信繁がそっくりだったことは無い。
真田信繁は、秀吉の近くに仕える馬廻り衆の一人だった。


(ドラマ本編の1シーンから引用 イラストby龍女)

秀吉の側室の茶々(竹内結子)が懐妊した子が秀吉が父親ではないと、落書きが出た時に
茶々に信繁が「あなたの子よ」と言われて驚くシーンがあった(すぐに「冗談よ」と言われて、信繁はほっとする)。
筆者は、それでわざわざ顔が似ている堺雅人と小日向文世が配役されたのか、と納得した。

晩年は、幼い息子を跡に継がせる為に、養子の甥の秀次を処刑するなど残酷で孤独な秀吉を演じた。

笑顔なのだが、本当に笑っているのか分からない二面性を持っている。
そういった人が権力を持つと恐ろしい。


ドラマ・映画以外では、『ぶらり途中下車の旅』の3代目ナレーターを務めたりと、親しみがあるイメージだ。
口調も穏やかなので、品がある。
上の立場の人に振り回され、困った笑顔を見せる小市民の役を演じると善良なおじさんに見える。
年齢を増して、立場が上の役を演じることが多くなった。
笑顔の奥の目が笑っていない時は悪役の印象になり、大物の悪役の風格が出てくる。
人間は良い人か悪い人か割り切れない存在だ。
小日向文世は、人間の悲喜こもごもを演じ分ける不気味な笑顔の魔術師だ。


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写真:タレントデータバンク
小日向文世|1954/1/23生まれ|男性|北海道出身)

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