不気味な笑顔の魔術師!『緊急取調室』出演中の小日向文世は善人?それとも悪人なのか?

2021/7/21 22:00 龍女 龍女

①若い頃、所属していた劇団には、あの人たちがいた!


(若い頃の顔写真から イラストby龍女)

北海道出身の小日向文世は、地元の三笠高校卒業後に上京して、始めはグラフィックデザイナーを目指して、お茶の水の専門学校へ行っていたそうだ。
スキーで複雑骨折して、怪我で何度も手術しているうちに目標が変わった。
写真専門学校へ行き卒業したが、22歳で俳優になろうと文学座の試験を受けたが落ちた。


(1976年頃の中村雅俊 イラストby龍女)

その頃、文学座の若手で売れっこだった中村雅俊(1951年2月1日生)の付き人になった。
1977年に中村雅俊のすすめもあって、串田和美が主催する『オンシアター自由劇場』の試験を受け、入団した。
この劇団には、今では名脇役となっている実力派俳優が何人か在籍していた。
『踊る大捜査線』のスリーアミーゴスの一人、斎藤暁。
『おくりびと』(2008年)、『ディア・ドクター』(2009年)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を2年連続受賞した、余貴美子。


(宣材写真から イラストby龍女)

そして、山田洋次監督の常連の笹野高史(1948年6月22日生)である。

劇団の代表作の『上海バンスキング』は1988年に映画化されている。
この舞台の題名は、昭和初期の中華民国時代の上海でジャズに明け暮れた日本人ジャズマンの中でも、バンス(前借り)をしまくって、『バンスキング』とあだ名されたトランペット奏者の南里文雄をヒントにしているという。
笹野高史は、バンスキングの松本(バクマツ)を演じている。トランペットを舞台上で吹いている。
この舞台は、出演者が生演奏でジャズを演奏するのが売りである。
小日向文世はサックスを吹いていた。
他の出演者もヒロイン役の吉田日出子も歌ったり、斉藤暁もトランペットを吹いている。

小日向文世は、1995年に劇団の後輩の11歳下の女性と結婚し、長男をもうけたが、1996年の劇団の解散で生活は立ちゆかなくなった。
これ以降、俳優の仕事は映像を軸足に移すが、依頼は少なく、借金生活を余儀なくされたという。

しかし5年後、その生活を抜け出す作品に出逢う。
それは何だっただろう?

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