不気味な笑顔の魔術師!『緊急取調室』出演中の小日向文世は善人?それとも悪人なのか?

2021/7/21 22:00 龍女 龍女

②テレビドラマでのブレイクと、隠れた名作
借金生活を抜け出すきっかけは2001年のあのテレビドラマだった。
小日向文世が出演することになった
フジテレビの月9の木村拓哉主演の『HERO』である。


(HEROのHPから イラストby龍女)

検察事務官の末次隆之役である。
第1シリーズでは、城西支部で、検事の江上達夫(勝村政信)の担当事務官。
江上は、主人公の久利生公平(木村拓哉)の担当事務官、雨宮舞子(松たか子)に好意を抱いているが、振り向いてもらえない。
末次は江上の機嫌で無茶な仕事を押しつけられられたりしている。
「(雨宮と江上の交際は)ない!」
にこやかに毒を吐く、社交ダンス好きのベテラン事務官である。

実は、小日向文世の『HERO』出演のきっかけになったのは、三谷幸喜演出の『オケピ!』出演を観たフジテレビのプロデューサーであった。
ドラマが大ヒットして、仕事の依頼がひっきりなしに来るようになった。

映画『スウィングガールズ』(2004年)では、高校の吹奏楽部でサックスを吹く鈴木友子(上野樹里)の父の泰三を演じている。


(本編の1シーンから松田龍平と イラストby龍女)

特に紹介したいのは、連続ドラマで主役を務めた

『あしたの、喜多善男ー世界一不運な男の、奇跡の11日間ー』だ。
離婚して、親友にも死なれた主人公・喜多善男が自殺しようとして大金を持ちだして11日間好き勝手なことをしようをするが、徐々に変化が訪れる。
中で、主人公が自己の反映である「ネガティブ善男」と対峙するシーンがあって、舞台劇のような見応えがあった。
(筆者はジャズ・ミュージシャンの小曽根真が作曲したサントラを気に入って、アルバムを購入した)

小日向文世が、様々な映像作品に出られるきっかけになったのは、三谷幸喜の舞台であった。
三谷幸喜脚本の連続ドラマの中でも、あのドラマのあの役は印象的だったので次に紹介しよう。

    次へ

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4