朝ドラ『おかえりモネ』のトラブルメーカー!?内野聖陽を名脚本家たちが使いたがる理由とは

2021/6/16 22:00 龍女 龍女

④『真田丸』の徳川家康役に至る三谷幸喜の大河ドラママニアならではキャスティング。


(所属事務所のHPの写真から引用 イラストby龍女)

『真田丸』の脚本を担当したのは、ご存じ三谷幸喜(1961年7月8日生)だ。内野聖陽が三谷幸喜脚本のドラマに出るのはこれが初めてでない。
フジテレビで2010年に放送されたSPドラマ『わが家の歴史』で、実在の昭和の天才棋士・升田幸三役に起用している。
これは当然、大石静脚本の『ふたりっ子』を踏まえての配役であったろう。

ちなみに、三谷幸喜は大河マニアとして有名だが、脚本家としてでなく、俳優としても二度出演している。
一番最初が大石静が脚本を担当した2006年の大河ドラマ『功名が辻』での足利義昭役である。
歴代色々な人が足利義昭を演じているが、等持院にある義昭の木像に一番似ているのは三谷幸喜だと思う。

三谷幸喜が担当した一回目の大河ドラマ『新撰組!』も『真田丸』にも共通しているのは、主人公は歴史上では時代の波に乗れなかった敗者を描いている。
『真田丸』での敗者とは、堺雅人が演じた主人公・真田信繁(幸村)である。
ずっと豊臣秀吉サイドの裏方として生きてきたが、秀吉の死後、さらには石田三成亡き後、豊臣側の人間に背中を押され「仕方なく」歴史の表舞台に出されてしまった感がある。

その対局にいるのは、紆余曲折あったとしても勝った優秀な人物である。
『真田丸』では、内野聖陽が演じた「狸親父」とも呼ばれる老獪な徳川家康だ。その老獪さを出すため、コミカルに演じるだけの器用さを兼ね備えた俳優としての人選だろう。人生の最後の最後に強者となった真田信繁(幸村)に一時追い詰められるが、歴史の勝者の座は手渡さなかった。


(ドラマの1シーンから引用 イラストby龍女)


その内野聖陽が「ふたりっ子」以来25年ぶりに朝ドラに帰ってきた。
最新作の『おかえりモネ』では、どんな役を演じているのか?

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