【ナウマンゾウからゴジラまで】古代の日本列島にタイムスリップしてきた!

2021/4/23 20:35 yamasan yamasan

こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。

先日、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館に行ってきました。


今回のお目当ての一つは、1983年の開館以来はじめて展示を大きく見直して、2019年3月にリニューアルオープンした総合展示第1展示室(先史・古代)。
2年以上たってしまいましたが、遅ればせながら今回のコラムで展示の様子をレポートしたいと思います。


第1展示室(先史・古代)が対象とする年代は、3万7千年前に日本列島に人類が出現してから、7世紀末~8世紀初頭に古代国家「日本」が成立して、10世紀に中世の姿を見せ始めるまでの約3万6千年間。気の遠くなるような長い期間です。

最初のエリアは、それこそ気の遠くなるような昔、地球が最も寒かった最終氷期(約11万~1万2千年前)の時代。

展示室内に入っていきなり驚かされました。
ナウマンゾウの登場です。


ゾウの中では小さい方というナウマンゾウですが、こうやって間近でみるとものすごい迫力。ぼやぼやしていたら踏みつけられそうです。それに横では狼が目を輝かせてこちらを狙っているのでご用心。

さてこれは、どこか遠くの国なのか、と思いましたが、実は今私たちがいる南関東の約4万年前の風景なのです。
いきなりここに放り込まれたら、とても生きた心地がしないでしょうが、その場にいたら、この旧石器時代の人のように、落とし穴に落ちた獲物を狙わずにはいられなかったことでしょう。


次に縄文時代に移ります。

縄文時代の花形は、やはり何といっても華麗なデザインの火焔型土器。
こちらは、縄文中期(約5500年~4500年前)の土器が地域ごとに違いが分かるように展示されています。火焔型土器の姿も見えます。


そして現代人にとってはミステリアスな土偶群。
土偶も土器と同じく、ご覧のとおりの数。物量作戦で攻めてくるので、迫力あります。


以前、いまトピで我が家の日本古代史フィギュアを紹介したことがあります。ぜひこちらもご覧ください。
ガチャガチャで縄文展!ガチャガチャで日本古代史!

縄文時代前・中期、6000年前から4500年前まで1500年も続いた大規模な集落遺跡、三内丸山遺跡の模型はとても精巧にできています。
中央の大型住居は家の中の構造がよくわかりますし、住居前の広場では土器を焼いたり、採取したものを地中の貯蔵したり、みんなで手分けして作業をしている姿もよく再現されています。
ジオラマ好きにはたまらない展示です。いつまで見ていも飽きることはありません。


縄文時代というと浮かんでくるのが火焔型土器とミステリアスな土偶なら、私にとっての弥生時代のイメージは銅矛、銅剣、銅鐸。
ここにも各地の遺跡から出土した銅鐸が、これでもか、といった感じで大量に展示されています。


珍しいものが展示されていました。
何と日本最古のイエネコ?
解説によると、大陸からネズミ対策として連れてこられたのかもしれないとのこと。


『吾輩は猫である』ではありませんが、このイエネコたちには「名前はまだない」そうです。

続いて倭の時代へ。

これを見ないと帰れない、というものが出てきました。

江戸時代の天明4(1784)年に博多湾の志賀島で発見された、かの有名な金印、『後漢書』東夷伝に、建武中元二年(西暦57年)、後漢の初代皇帝・光武帝(在位25-57)から賜った、とある《「漢委奴国王」銘金印》です。


ここに展示されているのは複製ですが(原品:福岡市博物館)、小さいながらも、かつての中国のエンペラーの威光が感じられます。

そして古墳時代へ。

前方後円墳の模型の前には、鏡や鉄剣はじめ副葬品の数々。


中でも私のお気に入りは、縁の断面が三角形で神獣が鋳込まれた「三角縁神獣鏡」(下の写真右下)。どのような神様、どのような霊獣がいるのか眺めるのが好きなのです。


王の館はこんなに立派だったようです。



ナウマンゾウに始まって、火焔型土器に土偶、埴輪に銅鐸、金印、三角縁神獣鏡と古代史を彩る品々を見てきたところですが、ここまででだいぶ時間が経過してしまいました。

第1展示室だけでもまだ全部見終わったわけでなく、その先にはさらに、第2展示室(中世)から第6展示室(現代)まであって、さらに企画展示室まであるのです。

展示内容が質量ともに充実していて、とても1日で見尽くすことはできないので、期間限定の特集展示は見ましたが、第2展示室以降の展示をじっくり見るのは次のお楽しみとっておくことにしました。

名残惜しかったのですが、第6展示室の最後に展示されているゴジラにご挨拶。
「また来ます!」



国立歴史民俗博物館

住 所  〒285-8502 千葉県佐倉市城内町117
開館時間 3月~9月 9:30~17:00
     10月~2月 9:30~16:30
    (入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日(月曜日が休日の場合、翌日が休館日)
    年末年始 12月27日~1月4日
入館料 総合展示 一般 600円、大学生250円、高校生以下は無料
    企画展示開催中は特別料金になることがあります。
    (総合展示もあわせてご覧になれます。)
同館の詳細、新型コロナウィルス感染予防対策などについては公式HPをご覧ください⇒国立歴史民俗博物館