【かわいい!!美しい!?】必見の人形アニメ、レジェンド作品たち

2021/3/27 21:40 KIN KIN



人形アニメ(パペットアニメ)はコマ撮りアニメ(ストップモーションアニメ)の1種類。その名の通り人形を一コマ撮って動かしてまた一コマ撮って……を繰り返して動画に見せる仕組みです。

大人気の見里朝希監督が手掛けたテレビアニメ『PUI PUI モルカー』も人形アニメ。先日に最終回を迎え、Blu-rayやDVDの発売も決定。いまトピでも虹さんが記事にしています。


【PUIPUIモルカー】奇才・見里監督の作品に注目!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9438.html

コマ撮りアニメには他にも粘土アニメ(クレイアニメ)や切り絵アニメなどいろんな手法があります。表現をミックスして使っているものもありますね。



人形を使って一コマ一コマ撮影していくという、とても面倒な手法ですが、やはりコマ撮りならではの独特の表現があり、ファンも多く、昔から様々な作品が作られてきました。作る方々はかなり根気のある方だというのは間違いないですね。

その人形アニメについてのレジェンド作品を紹介していきます。



ティム・バートン製作『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』




"What's This?" from The Nightmare Before Christmas | Script-to-Screen | Disney


ナイトメアー・ビフォア・クリスマス [DVD]

まずはこちら、最も知られている人形アニメ作品ではないでしょうか?映画監督 ティム・バートンが製作・原案を手掛けた作品。上の映像は一部の映像に解説を加えたものですが、オリジナルは長編映画です。ハロウィン・タウンの王様がクリスマスにあこがれ大騒ぎを起こすという話。とても大好きな作品です。



トーベ・ヤンソン監修『ムーミン パペットアニメ―ション』




ムーミンのパペットアニメ『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』特報


劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション 通常版 [DVD]

小説やテレビアニメで有名なムーミンにも人形アニメがあります。作者であるトーベ・ヤンソン監修のパペットアニメ作品(ポーランドで制作されたテレビ版、DVD-BOXもあり)を再編集した映画版『ムーミン谷の彗星』『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』はまだ記憶にも新しいです。フェルトで作られた人形の質感はムーミンの世界観にピッタリ。



ロシアのロマン・カチャーノフ監督作品




映画『ミトン+こねこのミーシャ』予告編


チェブラーシカ [DVD]

ロシアの人形アニメの名手ロマン・カチャーノフ監督の手掛けた『チェブラーシカ』『ミトン』『こねこのミーシャ』などの名作品はかわいいものが多いですね。なお、切り絵を使ったコマ撮りアニメ『霧につつまれたハリネズミ』(『霧の中のハリネズミ』)はロマン・カチャーノフの弟子であるユーリ・ノルシュテインの作品で、こちらも名作です。



チェコの人形アニメ作家 イジー・トルンカ作品




『真夏の夜の夢』Best of Czech Animation DVD ダイジェスト


イジー・トルンカの世界 vol.1 ― 「手」その他の短編 [DVD]

人形アニメの名作を多く生み出している国、チェコ。チェコを代表する人形アニメ作家イジー・トルンカ作品『真夏の夜の夢』の美しさは溜息ものです。人形の表情を変えず、角度や照明で感情を表現する手法、喜怒哀楽が本当に見えてくるようです。遺作である短編作品『手』はまさに名作と言っても良いでしょう。



同じくチェコの作家 ブラザー・クエイ作品




Street of Crocodiles (1986) clip | On BFI Blu-ray on 10 October | BFI


ブラザーズ・クエイ短編作品集 [Blu-ray]

少しダークな世界を待っていた方向けです。ブラザー・クエイもチェコの作家で、その独特な世界観はカルト的な人気があります。上の映像は名作『ストリート・オブ・クロコダイル』の一部ですが、一度見たら忘れられないその世界観はこれだけでも充分わかりますね。アート性の高いチェコアニメのイメージはこの双子の作家によって強くなっているところもあります。



こちらもチェコの作家 イジー・バルタ作品




映画『屋根裏のポムネンカ』予告編(日本公開版)


屋根裏のポムネンカ・雪女 [DVD]

イジー・バルタも上のブラザー・クエイと同時期にチェコで活躍している有名作家です。短編の名作『手袋の失われた世界』などにもみられるように少しダークな世界観がありながらもユーモアある面も見せてくれています。そんな中で23年ぶりの新作と当時話題になった2009年公開の人形アニメ『屋根裏のポムネンカ』。微妙な可愛さが、こう、なんというか、やみつきになるのですよ。



NHKマスコットキャラクター『どーもくん』




どーも&チャロが不思議な少女と旅する“花は咲く 東北に咲く”~あの日、そして明日へ~『花は咲く』

さて、日本の人形アニメ作品も幾つかあげてみます。まずはアニメーション作家 合田経郎が手掛けたNHKマスコットキャラクター『どーもくん』。上の映像は人形アニメのどーもくんと通常アニメのチャロが同居する復興支援ソング『花は咲く』に関する映像です。NHKは多くの素晴らしいコマ撮りアニメを放送しています。プチプチアニメという枠で『ニャッキ!』『ロボット パルタ』『森のレシオ』『ポンユタウン』など粘土アニメや人形アニメの名作たちが並んでいます。



アニメーション作家 村田朋泰『朱の路』他




『朱の路 ダイジェスト』村田朋泰


Mr.Children 「HERO」 Music Video

上のNHKプチプチアニメで放映された『森のレシオ』『ポンユタウン』を作ったのが映像作家 村田朋泰。その独特の作風は昔からファンが多いですが、その中でも路シリーズ4部作の1作目『朱の路』を初めて見た時の衝撃は忘れられません。この路シリーズを元にしたミスター・チルドレン『HERO』のPVも素晴らしい作品になっています。CMなども手掛けられているのでどこかで見た事があるかもしれません。



アニメーション作家 合田経郎『こまねこ』




こまねこショートムービー2021

この『こまねこ』は展覧会がきっかけになって出来た作品。『どーもくん』と同じスタッフなのです。なんとコマ撮りが趣味なネコ、という設定。展覧会で実際にコマ撮りをするネコのコマ撮りアニメを撮影するところを見せてくれました。みんなのうたで宇多田ヒカルが歌った『ぼくはくま』に出てきたくまのぬいぐるみも『こまねこ』『どーもくん』を手掛けたアニメーション作家 合田経郎によるコマ撮りアニメです。似たような感じのほんわかした雰囲気ですね。



中村誠監督『ちえりとチェリー』




Chieri and Cherry Trailer (Official)

この中村誠監督による『ちえりとチェリー』には歌手で俳優の星野源も声で参加しています。そういえば先の『こまねこ』が『うちで踊ろう』を歌っている映像もありました。初めの方で紹介した『チェブラーシカ』は2010年、日本のスタッフが中心になり新作が公開されています。その主要メンバーで作った作品が『ちえりとチェリー』なのです。



さて、人形を動かしてコマ撮りをするという、一見、古臭くも見える手法ですが、今でもたくさんのファンがいて、多くのクリエイターたちに愛されている表現です。



『PUI PUI モルカー』の様に若いクリエイターが創る作品も出てきています。『進撃の巨人』などで有名なアニメ制作スタジオ・WIT STUDIOがこの『PUI PUI モルカー』の見里朝希監督を迎えコマ撮りアニメスタジオを発足したというニュースも発表されました。


『Candy Caries』- Stop motion anime PV
※WIT STUDIO公式YouTubeチャンネルより、見里朝希監督参加PVを発表

レジェンドたちが作るマスターピースを知り、そして新たな才能たちをまた注目してみてみたいと思います。