【PUIPUIモルカー】奇才・見里監督の作品に注目!
「PUIPUIモルカー」をご存知でしょうか?
「PUIPUIモルカー」は、2021年1月5日より「きんだーてれび」(テレビ東京系)にて放送が開始されたパペットアニメです。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/molc.jpg)
舞台はモルモットが車になった “モルカー”が活躍する世界。大きな瞳にずんぐりした形がかわいいモルカーですが、単なる「癒しアニメ」ではありません。
ある時は強盗事件に巻き込まれ、またある時は気温の上がった車内に取り残された猫を救助するなど、わずか2分間とは思えないスリリングな内容と、愛らしい見た目のギャップに「中毒性が高い」との声が集まっており、加えてモルカーの声を実際のモルモットがあてているというところも大きな話題となっています。
監督はこれがシリーズ初監督となる見里朝希(みさと・ともき)さん。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻に進学されました。
このとき修了制作として発表した作品こそが、衝撃の問題作「マイリトルゴート」(2018)です。この作品は「パリ国際ファンタスティック映画祭(PIFFF)」でグランプリを獲得するなど、国内外で様々な賞を受賞しました。
「PUIPUIモルカー」で見里監督のファンになった方は、きっと他の作品も気になるはず。
そんな時は見里監督のYouTubeチャンネルをフォローしましょう! 「マイリトルゴート」以前の作品なども見ることができます。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/candy.jpg)
過去の作品を見ていると、モルモットのモチーフがちらほらと出てくるのがわかります。また、「あたしだけをみて / Look at Me Only」では、主人公の手元にいる動物の声がモルカーとほぼ同じであるなど、モルカーの布石ともいえる元ネタ(?)を味わえるのも楽しいですね。
すでにモルカーを視聴されている方の中には、人間のグロテスクな部分や悲哀といった複雑な心理を、愛らしいパペットを使って視聴者の心に爪痕を残すように表現する見里監督の作風に並みならぬものを感じている方も多いでしょう。
「あたしだけをみて / Look at Me Only」も然り、最初は移り気な男性とそれに対してヒステリックになっている女性のカップルの話に見えるのですが、中盤から「モルモットは〇〇のメタファーだったのか!」とわかるや否や、パペットが演じたあらゆる仕草の真の意味に気づくなど、単にかわいいだけのアニメーションではないということがわかります。
その最たるものが冒頭でも触れた「マイリトルゴート」です。
有名なグリム童話「狼と七匹の子山羊」をベースに作られたこのお話は、狼に食べられてしまった子ヤギたちをお母さんヤギが救出するところから始まります。
大きな瞳にころころ動く手足がかわいい子ヤギたちですが、開始早々、鑑賞者は「どこか様子がおかしいな」という違和感を抱くことでしょう。そして物語が進むにつれて、おとぎ話では描かれることのなかったリアルな惨劇を、そしてこれから起こる「拗らせた感情の末路」を知ることになるのです。
この作品にはゴア表現や虐待表現を含む暴力的な描写があるため、鑑賞には注意が必要です。しかし、行き過ぎた愛は必ずしも相手を幸せにするわけではないのだという、とても重要なことがを全編を通じて語られています。
通常は鑑賞することのできない作品ですが、「ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)」にて、現在期間限定で臨時配信されています。2月28日までの公開となっていますので、興味のある方はこの機会をお見逃しなく!
こういった話を愛らしいパペットが演じると、痛ましさが緩和されるどころかむしろ倍増するのですが、キャラクターが愛くるしいからこそ鑑賞者は余計に引き付けられ、突きつけられた作品のテーマにより深く対峙できるのではないでしょうか。
モルカーを見てわずか2分の間に起こる悲喜こもごもに揺さぶられるのも、キャラクターの持つ抗えない魅力と、どこか風刺的な物語の親和性が高さゆえなのでしょう。
モルカーは毎週火曜日、朝7時30分より放送されていますが、見逃してしまった方もAmazon Prime VideoやHuluなどの動画配信サイトにてそれぞれの話を視聴することができますよ!
今や日本のみならず各国でじわじわと人気を集め、なんと台湾では週に32回も放送されるほどの社会現象になっているという「PUIPUIモルカー」。奇才・見里朝希監督の活躍とともに、これからも目が離せません!
◆おまけ◆
私が見里朝希さんを知ったのは、2018年の「TOKYO ANIMA」。
「TOKYO ANIMA」とは、2010年から毎年国立新美術館で行われている、若手アニメーション作家の短編作品上映会です。2020年は新型コロナウイルスの影響もあってか開催されませんでしたが、過去に誰の作品が上映されたのか公式サイトのアーカイブからチェックすることができます。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/tanima2.jpg)
また、以前「いまトピ」でも私の独断と偏見による「オンラインで作品をチェックすることができる6人のアーティスト」についての記事を書いています。一度ハマると癖になる短編アニメーションの世界、まだの方はぜひ味わってみてください!
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/tanpen.jpg)
「PUIPUIモルカー」は、2021年1月5日より「きんだーてれび」(テレビ東京系)にて放送が開始されたパペットアニメです。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/molc.jpg)
▲「PUIPUIモルカー」公式サイトより
舞台はモルモットが車になった “モルカー”が活躍する世界。大きな瞳にずんぐりした形がかわいいモルカーですが、単なる「癒しアニメ」ではありません。
ある時は強盗事件に巻き込まれ、またある時は気温の上がった車内に取り残された猫を救助するなど、わずか2分間とは思えないスリリングな内容と、愛らしい見た目のギャップに「中毒性が高い」との声が集まっており、加えてモルカーの声を実際のモルモットがあてているというところも大きな話題となっています。
監督はこれがシリーズ初監督となる見里朝希(みさと・ともき)さん。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻に進学されました。
このとき修了制作として発表した作品こそが、衝撃の問題作「マイリトルゴート」(2018)です。この作品は「パリ国際ファンタスティック映画祭(PIFFF)」でグランプリを獲得するなど、国内外で様々な賞を受賞しました。
「PUIPUIモルカー」で見里監督のファンになった方は、きっと他の作品も気になるはず。
そんな時は見里監督のYouTubeチャンネルをフォローしましょう! 「マイリトルゴート」以前の作品なども見ることができます。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/candy.jpg)
▲見里朝希さんのYouTubeチャンネルより 「Candy.zip」(東京藝術大学大学院映像研究科 アニメーション専攻 一年次作品 2017)
過去の作品を見ていると、モルモットのモチーフがちらほらと出てくるのがわかります。また、「あたしだけをみて / Look at Me Only」では、主人公の手元にいる動物の声がモルカーとほぼ同じであるなど、モルカーの布石ともいえる元ネタ(?)を味わえるのも楽しいですね。
すでにモルカーを視聴されている方の中には、人間のグロテスクな部分や悲哀といった複雑な心理を、愛らしいパペットを使って視聴者の心に爪痕を残すように表現する見里監督の作風に並みならぬものを感じている方も多いでしょう。
「あたしだけをみて / Look at Me Only」も然り、最初は移り気な男性とそれに対してヒステリックになっている女性のカップルの話に見えるのですが、中盤から「モルモットは〇〇のメタファーだったのか!」とわかるや否や、パペットが演じたあらゆる仕草の真の意味に気づくなど、単にかわいいだけのアニメーションではないということがわかります。
その最たるものが冒頭でも触れた「マイリトルゴート」です。
有名なグリム童話「狼と七匹の子山羊」をベースに作られたこのお話は、狼に食べられてしまった子ヤギたちをお母さんヤギが救出するところから始まります。
大きな瞳にころころ動く手足がかわいい子ヤギたちですが、開始早々、鑑賞者は「どこか様子がおかしいな」という違和感を抱くことでしょう。そして物語が進むにつれて、おとぎ話では描かれることのなかったリアルな惨劇を、そしてこれから起こる「拗らせた感情の末路」を知ることになるのです。
この作品にはゴア表現や虐待表現を含む暴力的な描写があるため、鑑賞には注意が必要です。しかし、行き過ぎた愛は必ずしも相手を幸せにするわけではないのだという、とても重要なことがを全編を通じて語られています。
通常は鑑賞することのできない作品ですが、「ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)」にて、現在期間限定で臨時配信されています。2月28日までの公開となっていますので、興味のある方はこの機会をお見逃しなく!
お待たせしました!
— BSSTO編集部 / ショートフィルム専門オンライン映画館~水曜夜はわたし時間~ (@short_theater) February 4, 2021
”#モルカー”の見里朝希監督が制作!フェルト人形の短編パペットアニメーション『マイリトルゴート』を配信開始!
ご感想は #マイリトルゴート をつけて、お寄せください♪https://t.co/PLhKqiGKAp
※ショートフィルムが無料視聴できる、国際短編映画祭が運営するサイトです。
こういった話を愛らしいパペットが演じると、痛ましさが緩和されるどころかむしろ倍増するのですが、キャラクターが愛くるしいからこそ鑑賞者は余計に引き付けられ、突きつけられた作品のテーマにより深く対峙できるのではないでしょうか。
モルカーを見てわずか2分の間に起こる悲喜こもごもに揺さぶられるのも、キャラクターの持つ抗えない魅力と、どこか風刺的な物語の親和性が高さゆえなのでしょう。
モルカーは毎週火曜日、朝7時30分より放送されていますが、見逃してしまった方もAmazon Prime VideoやHuluなどの動画配信サイトにてそれぞれの話を視聴することができますよ!
今や日本のみならず各国でじわじわと人気を集め、なんと台湾では週に32回も放送されるほどの社会現象になっているという「PUIPUIモルカー」。奇才・見里朝希監督の活躍とともに、これからも目が離せません!
『PUI PUI #モルカー』公式ツイッター
— PUI PUI モルカー【公式】 (@molcar_anime) January 15, 2021
㊗️フォロワー 150,000人🎊 ありがとうございます!!
これを記念しPC用の壁紙を配布いたします💻
左から
チョコ🍫
シロモ🥬
ポテト🥔
テディ⚠️
アビー🔰#毎週火曜あさ7時30分#テレビ東京系きんだーてれびにて
引き続き応援よろしくお願いします! pic.twitter.com/PXXSh8rLEy
▲約1か月前は15万人だったフォロワーが今では37.4万人! 世界がモルカーに注目しています。
◆おまけ◆
私が見里朝希さんを知ったのは、2018年の「TOKYO ANIMA」。
「TOKYO ANIMA」とは、2010年から毎年国立新美術館で行われている、若手アニメーション作家の短編作品上映会です。2020年は新型コロナウイルスの影響もあってか開催されませんでしたが、過去に誰の作品が上映されたのか公式サイトのアーカイブからチェックすることができます。
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/tanima2.jpg)
▲「TOKYO_ANIMA! 2019」公式サイトより
また、以前「いまトピ」でも私の独断と偏見による「オンラインで作品をチェックすることができる6人のアーティスト」についての記事を書いています。一度ハマると癖になる短編アニメーションの世界、まだの方はぜひ味わってみてください!
![](https://ima.xgoo.jp/column/img2/niji/tanpen.jpg)
▲「一度見たら虜になる!【アーティストによるアニメの世界】