深夜ドラマ『その女、ジルバ』（東海テレビ系23時40分～）が大評判だ。
漫画原作。冒頭のあらすじはこうだ。
主人公は池脇千鶴演じる40歳の百貨店接客部門の笛吹新。
寿退社どころか婚約破棄、部署も倉庫部門に転属させられ、減給の憂き目に遭う。
疲れてトボトボ帰る道、

イラスト／最近の池脇千鶴を見ていない人には驚きかもしれないが、役作りのためかドラマ開始当初はまさに疲れきった中年女性の見た目だ。

副業が頭をよぎる中、熟女バーのドアに、募集要項の張り紙を見つける。
ドアを開けると、違う常識の別世界が待っていた。

池脇千鶴（1981年11月21日生）。東大阪市出身で吉本興業所属。
メディアデビューはCMで、三井のリハウスガール。
初代宮沢りえから数えて8代目である。
CM演出の市川準に選ばれた。
映画デビュー作は、同じく市川準が監督を務めた1999年の『大阪物語』。
脚本は犬童一心が担ったが、 その犬童一心が監督に変わって組んだ2000年の『金髪の草原』にも出演。

2003年に公開された、犬童一心監督との2回目のコンビ作品が、
傑作の『ジョゼと虎と魚たち』だ。
筆者は2006年にDVDを借りて観た後に購入したほどハマった。

2014年の更なる代表作、『そこのみにて光り輝く』（監督・呉美保）は知人に勧められWOWOWで観た。

カンヌ国際映画祭で最高賞を穫った2018年の『万引き家族』にも出番は少ないが出ている。今や日本映画では欠かせない存在である。

ドラマの代表作は2001年の朝ドラ『ほんまもん』。
精進料理に目覚める山中木葉を演じた。
筆者は調理師なので、細かい仕草が気になってしまう。
鍛えた技術は、日常の表現に根拠を与える。
淡々と卵焼きを作り（ジョゼ）、鍋底に残るチャーハン（そこのみにて…）を作る。

これも出番は少ないが、池脇千鶴の本質に迫るので紹介したい作品がある。
2018年Netflixのミニシリーズドラマで、明石家さんまプロデュースの
『Jimmy～アホみたいなホンマの話～』


不器用な男、ジミー大西（中尾明慶）。
売れない芸人からさんま（玉山鉄二）の運転手になる。
売れっ子の天然ボケとして認められ、バラエティの企画から画家になる。
池脇千鶴は若い頃の大竹しのぶを演じている。


大竹しのぶとは共演を機に友人関係の嵐の二宮和也が
「今の若手女優、みんな大竹しのぶ」
と言う位、レベルの高い競争の中で、最も大竹しのぶを知る明石家さんまが選んだのが池脇千鶴だ（池脇千鶴と二宮和也と大竹しのぶは2006年の『少しは、恩返しできたかな』で共演している）。

大竹しのぶ・池脇千鶴は実はかなりの体育会系だ。
大竹しのぶの趣味とされるのは全て運動（地唄舞・テニス･ゴルフ･パドルボード・スキー）。密着ドキュメンタリーの中でテニスをしているのを観て驚いた。

池脇千鶴は中学はバレーボール部、高校はサッカー部のマネージャーだった。
俳優の仕事は、ほぼアスリート。
健康が目的では無く、仕事の為に肉体改造を求められる。
マネージャーも経験して、運動後のケアを知っているかも。

『その女、ジルバ』の話に戻そう。
もう一人、気になるキャストがいる。