【新感覚】現代アートっておもしろい!見て、聴いて、触れて楽しむ美術館

2020/8/1 20:45 明菜 明菜

■アートを通じて世界のいまを学ぶ!『もつれるものたち』

リウ・チュアン《ビットコイン採掘と少数民族のフィールド・レコーディング》2018

カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画展『もつれるものたち』も興味深い企画展でした!国内外のアーティストの作品により、世界の民族を取り巻く課題に触れられました。作品を見て自分の頭で考える、謎解き的な面白さがピカイチな展覧会です。


藤井光《解剖学教室》2020

藤井光さんの《解剖学教室》の展示物は、福島第一原子力発電所の事故の後、帰還困難区域にある資料館から運び出されたもの。映像では空っぽになった資料館を訪れた人がそのときのことを語っています。

《解剖学教室》では、地震やそれに伴う事故によって人類の記憶が失われることを憂いましたが、それだけではないと思います。コロナ禍の今だからこそ、新たな意味を持って受け止められるアートとも言えるのでは。


ピオ・アバド《栄華》2019(全8点のうち5点を展示)

他にも、戦争による支配と被支配、少数民族の権利、資本主義と環境問題などを扱う作品によって、地球上の人類を取り巻く課題が浮き彫りになっていたと思います。アートは目で見て楽しむだけでなく、向き合って真剣に考えるから面白いのだな、と改めて感じた展覧会でした。目を逸らしてはいけない現実が、世界中にあるのです。

■美術館の底力。『MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ』

オノ・ヨーコ《インストラクション・ペインティング》作品展示風景「MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ」より

東京都現代美術館は、近代から現代のアート作品約5500点をコレクションしています。『MOTコレクション』ではさまざまな切り口でコレクションを展示しており、今回は『いまーかつて 複数のパースペクティブ』というタイトルのもと、約180点が展示されています。


岡本信治郎《ころがるさくら・東京大空襲》(部分) 2006 作品展示風景「MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ」より

展示されるのは1930年代から近年の作品で、やはり戦争の影響は大きいと感じました。可愛らしく見える作品でも、よく見ていくと戦争の苦しみや爪痕を残したような表現があり、ハッとさせられます。


豊嶋康子 作品展示風景「MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ」より

私はコレクション展を見る度に、アーティストの発想力の意外さを楽しむとともに、社会の理不尽さを感じてしまいます。複雑に絡み合った喜びと憂いを、複雑なまま受け止める面白さが、アート鑑賞の醍醐味だと思うのです。何が言いたいかと言うと、私は東京都現代美術館が好きです。

■東京都現代美術館の展覧会まとめ
ただいま開催中の4つの展覧会を簡単に紹介してきました!それぞれユニークで違った楽しみ方ができる展覧会です。まだまだ話足りないですが、この辺で…アートは現地で見てこそです。


豊嶋康子《殺菌》2006「MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ」より

なお、東京都現代美術館の公式ホームページによりますと、

「土日祝・会期末の混雑時は展示室への入場制限がございます。
混雑の少ない平日のご来館をお勧め致します。
土日祝にご来場の場合は11時-13時の時間帯ですと比較的ゆっくりご鑑賞いただけます。」

とのことです。また、美術館の入り口での検温、マスクの着用、入り口や展示室での手指のアルコール消毒などもご協力をお願いします。


宮島達男《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》1998 「MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ」より

感染防止や密にならないための対策に、美術館とお客さんが協力して取り組めたら良いな、と思います。というか、美術好きとしては開館しているだけでありがたい!ので、訪れる方は感染対策もした上でアートを鑑賞しましょう。

展覧会情報
・オラファー・エリアソン ときに川は橋となる
・おさなごころを、きみに
・カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画展 もつれるものたち
・MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ

会場:東京都現代美術館
会期:~2020年9月27日(日)
休館日:月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
開館時間:10:00ー18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
公式HP:https://www.mot-art-museum.jp/

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