あんまり大丈夫じゃない!?…志村けんさんが観光に与えた影響とは【ファンシー絵みやげ】(1/2)

2020/4/17 12:00 山下メロ 山下メロ


■ 志村けんとファンシー絵みやげ

さっそくですが、まずこちらをご覧ください。


田代まさしさんも含まれていますが、公式のものと非公式のもの。特に「志村けん」といった名前を出さずに、似ている顔のイラスト。そしてギャグ「だいじょうぶだぁ~」の文字(田代まさしさんは「関係ないね!」)。名前でなく言葉なら無許可でいいだろう…といった発想なのでしょう。


これはもう、完全に『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』の「THE DETECTIVE STORY(探偵物語)」における「だいじょうぶだぁ教」のうちわ太鼓。のちにフジテレビで『志村けんのだいじょうぶだぁ』というコント番組のタイトルになるほど定番のギャグです。そして、「THE DETECTIVE STORY(探偵物語)」はPCエンジンでゲーム化されました。


小さい頃、近所の友達がこのゲームを持っていましたが、自分はプレイさせてもらえず見てるだけという悔しい思いをしました。その友達にはたびたび子どもっぽい嫌がらせをされてましたが、自分が引っ越してしまう前日に家に来て「今までゴメンね」という手紙とともに、だいじょうぶだぁ太鼓をくれたのです。懐かしい思い出です。そんな太鼓も、おそらく無許可で作られた観光地みやげだったのでしょう。



これも、おそらく同じように無許可品と思われるもの。こちらも観光地の土産店で売っていました。


4月1日に出演したSUPER DOMMUNEの『山下メロ presents ファンシー絵みやげ概論15』の無観客配信では、訃報の翌々日だったため追悼の意味をこめてグッズを飾っていました。


この中にもたくさん観光地みやげが含まれています。中でも、だいじょうぶだぁ太鼓が特に多いです。


この人間ルーレットも観光地の土産店で売られていました。

バブルの頃は子どもの人口が多く、とにかく子どもをターゲットに商品を作っていましたので、子どもに大人気の志村けんさんはモチーフになりやすかったわけです。これだけ色んな例を見ますと、その観光地への影響が非常に感じられますね。

前述のとおり、たとえ志村さんに似た顔のイラストがなくとも、「だいじょうぶだぁ」という言葉なら許可はいらないだろうという商品が多く見られます。もともとこの言葉は志村さんの義姉が住む福島県会津地方、喜多方の方言から来ているのです。なので「だいじょうぶだぁ」という言葉だけ使った土産も数多く見られます。

例えばこちらです。



これは三重県・伊勢路の警策(きょうさく)です。座禅を組んでる後ろで、和尚さんが持ってる棒ですね。イラストはファンシー絵みやげの定番・キツネなのに、唐突な「だいじょぶだぁ~」。「だいじょうぶだぁ」より、発音に忠実になってますね。

名前も似顔絵もなしで、唐突に言葉だけ書かれても即座に志村けんさんが浮かびます。
それだけギャグにインパクトと浸透力、そしてアイデンティティ―があるということですね。

無許可の観光地みやげで、志村けんさんの偉大さを感じることができました。



では、また次回。



(文と写真:山下メロ)


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