まだまだありますソール・ライターの言葉

2020/1/17 23:05 Tak(タケ) Tak(タケ)

ソール・ライターは小さい頃から画家になることを夢見ていました。実際に絵画もプロのカメラマンになってからも描き続けています。

そんな彼が美術のことについても言及し多くの印象深い言葉を残しているのです。


ソール・ライター 《レミィ》 1950年頃、ゼラチン・シルバー・プリント ⒸSaul Leiter Foundation

「いちばん良いものがいつも見えているとは限らない。美術の歴史は、偉大なものが放置され無視され、粗悪で平凡なものが賞賛されてきた歴史なのだ。」

「ときどき、夜中に目覚め、マティスやセザンヌ、宗達の本を取り出す。それまで気付かなかった細部に、突然、魅かれることがある。絵画は素晴らしい。」

「私は日本の浮世絵のコレクションをもっていた。ボナール、ヴュイヤールも……その時代は、(そこそこ)安く買えたのだ。金が必要になるたびに、これらを売っていった。ソームズは納得いかなかった、と思う。」

「19世紀には幸運な人がいた。彼または彼女はフェルメールを12ドルで買えたのだから。」



ソール・ライター 《セルフ・ポートレート》 1950年代、ゼラチン・シルバー・プリント ⒸSaul Leiter Foundation

展覧会会場や写真集で彼の作品を観ていると、西洋美術だと、ボナールの影響を強く受けていることが見て取れます。

その視点でパートナーであったソームズを写したものを見ると、なるほど~と納得できるものがあるはずです。特に室内で撮られた写真に。

それと、浮世絵的な構図の写真も多く見られます。また、川瀬巴水らの新版画かと見まごうような写真もあり、彼が幅広い美術作品を生涯を通して目にしていたことを物語っています。

最後にこの言葉で終わりとしましょう。

I had the hope that the result would look a photograph rarther than a fashion photograph.

私が望んだことは、撮影の結果がファッション写真以上の「写真」になることだった。



「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」
開催期間:2020年1月9日(木)~3月8日(日)
*1/21(火)・2/18(火)のみ休館
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
主催:Bunkamura、読売新聞社
協賛・協力等:
[協力]ソール・ライター財団、NTT東日本
[後援]J-WAVE
[企画協力]コンタクト

「どちらかというと、写真は観る人に対して迫ってくるイメージのものが多いと思います。しかし彼の場合は、アートの中心地・ニューヨークにいながら、一定の距離を置いて人や風景を眺めつつ撮ったことで、いろいろなストーリーが見えてくるのです。」
ソール・ライター展プロデューサー佐藤正子


『永遠のソール・ライター』
小学館

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