ラグビーの聖地はスキー場!?……菅平高原の謎【ファンシー絵みやげ】(2/2)
■ 菅平高原のファンシー絵みやげ
私は、1980年代から1990年代に日本中の観光地で売られていた子ども向け雑貨みやげ「ファンシー絵みやげ」を保護・研究しています。その日はスノボに行く友人の車に便乗して、菅平高原というスキー場に来ていました。私はリア充たちがゲレンデでキャッキャウフフしてる間に、周辺の土産店を調査し、残されたファンシー絵みやげを保護しなくてはなりません。
ゲレンデから離れると宿泊施設や土産店もありますが、それらを調査したあと、ひたすら雪原です。あまりに続く雪原に飽きていましたが、そこを抜けるとまた土産店があります。確かにファンシー絵みやげは見つかるのですが、少し違和感がありました。
菅平高原は山ですので、山に生息しているクマをかわいく擬人化して、デフォルメするのは定番です。実際に山で遭遇したら危険な動物ですが、かわいく描くのですね。しかし……ラガーシャツにラグビーボール……。
こちらも、かわいいクマですが、ヘッドギアみたいなものを装着して……先ほどのものに引き続きラガーマンですね。違うイラストで2つ発見されると、これはもう擬人化のためにとりあえずラガーマンにしたわけではなさそうです。
こちらは人間のラガーマンですね。
立体的なものもあるんですね。なぜかラグビー系のものが多いです。
店を出てみると……
店のキャラクターもラグビーやっていました。ここはラグビー専門店だったのでしょうか。
しかし……栃木県は氏家のセブンハンドレッドクラブ(700CLUB)、そして、ここ長野県菅平高原のトゥエンティ―クラブ(20CLUB)……何か関係があるのでしょうか……謎がますます深まります……
そして向かいの店も……
向かいのお店の看板にもラグビーするクマが!!
なんだろう……と思いながら帰り際に、また雪原に目をやると……かすかに見えるラグビーのゴールポスト。
菅平にはラグビー場があるのです。
スキー場で賑わっているエリアですが、スキーができるのは冬だけ。他のシーズンに周辺の宿泊施設を使ってもらうために、ラグビー場を作ってラグビーの合宿を受け入れたという歴史があるのです。夏にラグビーするには涼しい高原はうってつけ、そしてラグビー場を作るのに適した平らな土地があるのです。
今では菅平だけで100面を超えるラグビー場があり、大会も行われ、ラグビーの聖地となりました。そのために、雪だるまなどスキー関連のモチーフに混じってラグビーをする商品が存在するのです。
そしてラグビー部では「菅平」を音読みして「カンペー」と通称していたという話も聞きました。夏になると毎日のように試合をしているそうで、まさに夏ラグビーの聖地。
ラグビーワールドカップで盛り上がった皆さま、来年の夏はぜひ菅平高原へ行きましょう!!
↑ 近いエリアの志賀高原にまでラグビーが波及!
では、また次回。
(文と写真:山下メロ)
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11月4日 泉麻人と山下メロの平成カルチャー談義 in mandaray
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9月2日(月) 出演は20時台。レトログッズで振り返る平成「さよならポケベル」特集。お聴き逃しの方は、番組WEBサイトからお聴きください。
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