ミスドの景品とは少し違う……原田治展とOSAMU GOODS【ファンシーグッズ】(1/2)
■ 原田治の世界
今、世田谷区にあるミュージアム・世田谷文学館では『原田治 展 「かわいい」の発見』が行われています(2019年9月23日まで)。イラストレーターでありデザイナーである原田治さんは、自身が監修するブランドである「OSAMU GOODS(オサムグッズ)」やミスタードーナツの景品のイラストが有名で、見た事ある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
↑ 会期は2019年9月23日まで
流行は30年周期と言われることがあります。1980年代には1950年代のアメリカ文化が好意的にとらえられていました。そんな中、かつて渡米した経験を持つ原田治さんのイラスト・デザインにはアメリカ文化の影響が強く、時代にマッチしていました。それどころか牽引していたとさえ言えるでしょう。
↑ アメリカから輸入されたものと言われても信じられるほど、独自のアメリカ的なセンスがある。
原田治さんはコージー本舗という会社にてダスティーミラーというブランドを起こし、その中でOSAMU GOODSというシリーズを展開しました。その後、ミスタードーナツの景品という形で、新たな層に人気を博しました。
OSAMU GOODS のイラストレーター原田治さんのトークセッションに参加。80年代のキャラクターグッズ展開の貴重なお話ばかり。マッキーは画材! pic.twitter.com/NINChlj5VF
— 山下メロ(平成レトロ・ファンシー絵みやげ) (@inchorin) September 13, 2015
以前、私が原田治さんのトークセッションに参加した際、最後の質疑応答で思い切って積年の疑問である「なぜオサムグッズとミスタードーナツの景品ではデザインが大きく異なるのか」を質問させていただきました。いただいた回答としては、OSAMU GOODSはデザインまで原田治さんが行っているのに対し、ミスタードーナツではイラストの提供にとどまったためということでした。つまりデザイナーが異なるのです。
↑ どうもミスドではこのように小さく描かれがちである
OSAMU GOODSとミスドでは配置されるキャラクターの顔イラストの、全体に対する割合など、さまざまな方法論や文脈が異なっておりをみると、やはりOSAMU GOODSのほうが原田治さんのマインドが色濃く反映されているのです。
↑ 「見せびらかし交流会」より。ミスドやOSAMU GOODSを探してみましょう。
■ 見せびらかし交流会
先日、「原田治 展」の特別企画として、オサムグッズコレクターの土井章史さんがご自身のコレクションを展示する「見せびらかし交流会」が開催されました。改めてコレクションを見ると、OSAMU GOODSの凄さが見えてきます。
↑ 「見せびらかし交流会より」
そして私も自分のコレクションの中から、初期のOSAMU GOODSと思われるものをお持ちいたしました。
↑ 初期のものながら人気だったランチクロス
↑ フランス的な雰囲気を持つお皿
また、OSAMU GOODSではないのですが以下の商品を持っていきました。
↑ ミスタードーナツの景品。なんとジグソーパズルにもなるトランプ。
↑ ポケットベルのパッケージも使われていました。
さて、話を戻しますと、原田治さんはOSAMU GOODSにおいてイラストだけでなくデザインまでしていたというお話でしたが、それだけではありませんでした。原田治さんはどんなことをしていたのでしょうか。