押さえておくべきこの4人!庭園デザイナーで見る日本庭園のススメ 1/2

2019/9/18 12:10KINKIN

明治時代や昭和の時代にうまれた日本庭園の新しい形を見て行きましょう。

明治時代:7代目 小川治兵衛(通称 植治)




京都 平安神宮の庭園

7代目 小川治兵衛は庭好きにとっては避けて通れない近代庭園の作庭家です。財閥の家や別荘などの庭園を数多く手がけた人。近代日本庭園はこの人無しでは語れないという現代日本庭園にとっての最重要人物とでも言える人です。通称は植治平安神宮の庭園は植治 初期の庭。中国の四神をモチーフにしているそうです。


京都 無鄰庵(山縣有朋別邸)の庭園

無燐庵は政治家である山県有朋の別荘跡で植治 初期の庭。この庭をきっかけに植治が有名になったようです。東山の景色を借景とした大きくはない庭ですが、ため息が出るほど細やかなつくりの庭になっています(借景とは背景の山などの景色を取り込んで庭園の景観とすること)。


京都 円山公園

円山公園は植治 後期の庭です。こちらも東山を借景にした庭園。水を渡る飛び石なども素敵です。植治の作品は数多く、京都では何有荘並河靖之七宝記念館京都平安ホテルウェスティン都ホテル京都の庭園。東京では国際文化会館 旧岩崎邸庭園が植治作ですし、同じく東京の旧古河庭園は植治作の日本庭園と建築家ジョサイア・コンドルが作った建築と西洋庭園をセットで見ることができます。



昭和時代:重森三玲




大阪 岸和田城 八陣の庭
武市正雄さんによる写真ACからの写真

日本庭園の研究家として全国の庭園を調査し、その後自らも数多くの庭園を手がけたのが重森三玲。歴史を踏まえながらも新しいモダンな構図の日本庭園を作り上げています。庭好きだけでなくデザインやアート好きにもファンが多い庭園作家です。岸和田城 八陣の庭は諸葛亮孔明の八陣法をテーマにした庭のデザイン。


京都 東福寺 方丈八相庭園 西庭 井田市松

重森三玲の代表作が東福寺 方丈八相庭園です。東西南北4つの庭に蓬莱、方丈、瀛洲、壺梁、八海、五山、井田市松、北斗七星の八つのモチーフを配置した庭。イサム・ノグチがこの庭を見てモンドリアン風と称したようにとてもモダンなデザインです。


京都 東福寺 方丈八相庭園 北庭 小市松

西洋風のイメージを取り込んだデザイン、日本庭園のデザインとして今見ても新しく画期的なものです。なぜか八相に含まれていない北庭の「小一松」ですが、苔と敷石を配置した幾何学的な市松模様の庭は必見です。他にも岡山 友琳会館 友琳の庭、兵庫 石像寺庭園 四神相応の庭、京都 松尾大社、東福寺 龍吟庵霊雲院など数々の斬新な庭を作っています。京都 東福寺 芬陀院は室町時代に雪舟の作った南庭を重森三玲が復元し、その時に東庭を重森三玲が作庭したものです。



京都 東福寺 方丈八相庭園 南庭(重森三玲作)

もちろん今回紹介した4人以外にも数多くの作庭家がいます。いろんな庭を見たときに、これ好きだな、と思ったら是非、その庭を作った人の名前をチェックしてみてください。もしかしたら好きな庭が同じ人が作ったものだった、と言うこともあるかもしれません。
  1. 1
  2. 2