なぜか見つからない長崎の原爆と平和のファンシーを求めて【ファンシー絵みやげ】(1/2)

2019/8/9 12:00 山下メロ 山下メロ

■ ヒロシマとナガサキの戦争遺構



以前、広島の原爆ドームをどのように描いていたかという話を書きました。1980年代から1990年代にかけて日本中の観光地で売られていた子ども向けの雑貨商品「ファンシー絵みやげ」において、漫画風のイラストに対して背景にいかに原爆ドームを描いたかを検証しました。



主に広島の話を中心に書きましたが、では長崎はどうだったのでしょうか。広島と長崎が違うところは、被爆建造物である戦争遺構を残さなかったことです。爆心地に近い場所に著名な建造物たる浦上天主堂がありますが、こちらは損傷が大きかったこともあり建て替えられており、一部が現在も平和公園に復元展示されているのみです。


↑長崎のファンシー絵みやげの背景は大浦天主堂が定番で、浦上天主堂のものは現時点では発見されていない。大浦天主堂も爆心地から離れているものの原爆投下時には被爆し、のちに修復されている。

長崎の爆心地近くには平和公園があり、北村西望作の平和祈念像が有名です。広島の平和記念公園と同じように、長崎では修学旅行の目的地の一つです。ファンシー絵みやげのターゲットである修学旅行生は、平和教育を経てどんなファンシー絵みやげを購入したのでしょうか。


↑「世界平和は我らの願い! LOVE&PEACE HIROSHIMA」と書かれていて、カップルと鳩の後ろには原爆ドームが描かれています。

広島におけるファンシー絵みやげにおいては、かわいいイラスト、そして原爆ドームとともに「平和が一番」などのメッセージが書かれたキーホルダーが散見されます。同じ被爆都市でありながら、原爆ドームほど分かりやすい被爆建造物のない長崎。どうやって商品を作っていったのでしょうか。

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