ネーミングが異次元!…あえて今、ペンションを見直そう【ファンシー絵みやげ】(1/2)

2019/7/12 12:00 山下メロ 山下メロ


■ ペンションとは何か

みなさんはペンションを知っていますか? 高原にある西洋風建築の小さな宿泊施設です。プチホテルという小規模なリゾートホテルに近いのですが、ペンションは大体が家族経営です。


↑最近宿泊したペンション「夢冒険」

私が集めている1980年代から1990年代の子ども向け雑貨土産である「ファンシー絵みやげ」についても、まさにペンションが立ち並ぶリゾート地で売られているため、ペンションがモチーフになる場合があります。


↑雨もりペンションのファンシー絵みやげキーホルダー

今はちょうど梅雨どきで雨が多いですが、このペンションは雨もりしちゃっています。というか立札に書かれているということは「雨もりペンション」という名前のペンションなのでしょうか。

このように漫画タッチのデフォルメイラストを色んなものにプリントしているのがファンシー絵みやげです。「ROMANTIC HOLIDAY」というざっくりした英語も特徴的ですね。リゾート感を出すためのヤシの木がちゃんと鉢植えになっているのはポイントです。

ファンシー絵みやげが売られるような場所に、低価格な宿泊施設としてペンションは建てられました。ほとんどは高原、あとは房総半島の館山のような海辺のリゾート地などです。ちなみに先ほどのキーホルダー。なんと埼玉のものです。


↑EXCITING SAITAMA'88 は1988年のさいたま博のことです。

しかも博覧会。まず埼玉は関東平野にあって山岳地帯は少なく、ペンションはほとんど存在しません。そして当然ながら海はありませんので海沿いのリゾート地などないのです。なぜペンションモチーフのキーホルダーをさいたま博で販売したのか……。


■ ペンションの歴史と特徴

ペンションというのは「年金」という意味で、そもそもはヨーロッパにおいて年金受給者が家の一部を安価に宿泊施設として提供していたのが始まりです。日本で最初のペンション、つまり日本最古のペンションは1969年に草津にオープンした綿貫ペンションと言われています。そこから数えると今年は50周年の節目の年になるのですね。しかし現在ではペンションの数は全盛期に比べると激減している状況なのです。


↑ペンション夢冒険の外観。白い壁に出窓といったファンシー建築である。

ペンションの特徴は、例外もありますが前述の通り洋風建築と家族経営です。そしてベッドが2、3ある部屋で、トイレや風呂は共同、食事はダイニングルームといった形式が多いです。2食付きであることが多く、その場合は洋食がメインになります。自家製のジャムやパンなどが朝食に出てくることも多いでしょう。

そして何よりネーミングです。ここ重要です。ネーミングなのです。どんなネーミングがあるのか見ていきましょう。

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