ダイナミックなインスタレーション作品に没入! 森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」10月27日まで(2/3)
●展示の特徴
塩田千春の初期作品やパフォーマンスの記録から、代表的なインスタレーション、最新作までを紹介する「塩田千春展:魂がふるえる」の、展示の特徴を紹介します。
大規模な没入型インスタレーション
塩田の作品を最も特徴づける、黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせる没入型のインスタレーション。

展示風景 《不確かな旅》2016
観客は糸が張り巡らされた空間の中を歩きながら、目に見えない繋がりや不安など、かたちの無いものを体感的、視覚的に意識させられます。

展示風景 《静けさの中で》2008
本展では、移動や旅を連想させる舟やトランク、沈黙を示唆する焼けたピアノなどを用いた大規模なインスタレーション6点を展示。

展示風景 《集積―目的地を求めて》2016
魂や生きる意味を考える新作
2017年の癌再発と闘病以降、塩田の作品に身体のパーツが使われるようになります。病院の治療プロセスに機械的に従って、身体の部位が摘出され、抗がん剤治療を受けるなか「魂はどこにあるのか」という問いが浮かんだといいます。

展示風景 《外在化された身体》2019
塩田の世界観がミニチュアの世界に凝縮されたような《小さな記憶をつなげて》は、窓越しに見えるミニチュアのような東京の風景と合わせて鑑賞できる展示に。じっくり見てみると、塩田の代表的なモチーフが散りばめられています。

展示風景 《小さな記憶をつなげて》2019
初期作品からの発展と一貫性を辿るアーカイブ展示

展示風景
初期のドローイングから、インスタレーションやパフォーマンスの記録を通して、塩田の実践の発展とそこに通底する一貫性を辿ります。

展示風景
本展で作品解説が書かれているのは、活動を初期から振り返る「クロノロジー」のセクションだけ。その他の作品には塩田の言葉が添えられています。