【これを読めばもう大丈夫】日本美術がわかる!オススメ名作漫画と展覧会
古い時代の日本美術って難しい、というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?教科書に載っているような襖絵や屏風や絵巻、仏像、茶碗などに対して苦手意識を持っている方もいるかと思います。
そんな方に、まず漫画で日本美術に触れてみることをオススメします。私もこれらの漫画で読んだ後に美術館に行って「ああ、これがそうなんだ!」と理解を深めたこともあります。そんな日本美術を身近に感じることができるような漫画を幾つかご紹介します。
源氏物語絵巻「隆能源氏 竹河二」
Wikipedia「源氏物語絵巻」より
まずは絵画美術の中から「源氏物語」。私は今まで、源氏物語の絵は展覧会などでもほとんど観ずに前を通り過ぎるだけ。ところが源氏物語のストーリーを知ると「ああ、あのシーンだ!」と判るようになり、面白くなってくるのです。
『源氏物語 あさきゆめみし』大和和紀 (著)
源氏物語 あさきゆめみし 完全版(1) (Kissコミックス)
でも、あんなに長い源氏物語全部読むのは大変。そう、私はこの『源氏物語 あさきゆめみし』で源氏物語を知りました。光源氏の数多くの女性遍歴を漫画で楽しむことが出来ます。絵は少女マンガ風ではありますが、抵抗なく源氏物語を読破できます。
更にお勧め、併せて観たいのは、これから始まる根津美術館の恒例、初心者でもわかる日本美術の展覧会。今年のテーマは絵画。源氏物語の作品も出るようです。日本美術における絵の見方などわかりやすく解説あり。
楽焼白片身変茶碗 銘「不二山」所蔵 サンリツ服部美術館(長野県諏訪市)
Wikipedia「楽焼白片身変茶碗」より
次は茶碗をはじめとする茶道具。こちらも難しいと思う人も多いのではないでしょうか?茶道具と言っても時代によって流行などもありますし、ほかの文化との関係性も出てきます。そして安土桃山時代から江戸時代にかけて茶道は武家社会において政治の道具として使われ広まります。
『へうげもの』山田芳裕 (著)
へうげもの(1) (モーニングコミックス)
この時代背景などが良く判るのが千利休の弟子である古田織部の人生を描いた『へうげもの』。この漫画には千利休や小堀遠州などの茶人以外にも本阿弥光悦、俵屋宗達、岩佐又兵衛、長谷川等伯などの戦国時代の文化人達が登場しますので茶道以外の文化についても知ることが出来ます。
現在、茶道具などの日本美術を色々な視点で見るという、日本美術が苦手な人でも楽しむことが出来る展覧会がサントリー美術館で開催されています。体感コースとわかりやすい解説コースの2つに分かれて、楽しい展覧会でした。
nendo × Suntory Museum of Art
information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_2/
サントリー美術館
2019/4/27-6/2
木造釈迦如来坐像(室生寺弥勒堂)
Wikipedia「釈迦如来」より
次に仏像。こちらはちょっと選択が難しいです。日本において仏教は宗派の数も多く、かなり幅の広い世界になっています。漫画としては実在の仏師などを元にしたものも幾つか出ていますが、どうしても仏教全体にとってはそれらの話は枝葉的なものになってしまいます。
『ブッダ』手塚治虫 (著)
ブッダ 手塚治虫文庫全集(1)
そこで仏教の教えを判りやすく読むことのできる漫画として 手塚治虫『ブッダ』を、オススメしてみたいと思います。手塚治虫本人も言っているように、かなり脚色されているし、仏典に載っていない人物も登場します。仏像と言うよりも仏教全般についてになりますが、基本的な考え方はこの本で伝わるとおもいます。
現在公開されている都内の展覧会で仏像を見ることが出来るのはこちら。密教系の素晴らしい仏像による立体曼荼羅を見ることが出来ます。とにかく迫力の仏像たち。曼荼羅や仏像における階層などもわかりやすく解説。
国際日本文化研究センター蔵『百鬼夜行絵巻』(部分)から抜粋
Wikipedia「百鬼夜行絵巻」より
そしてもう一つ、日本美術を理解する漫画として同じ手塚治虫『火の鳥』、こちらもオススメしたいです。巻ごとに未来と過去が行ったり来たりするこの話、過去編のなかには様々な日本美術のエッセンスが詰まっています。
『火の鳥』手塚治虫 (著)
火の鳥 手塚治虫文庫全集(1)
この火の鳥の『黎明編』に出てくるヤマタイ国、『ヤマト編』では古事記・日本書紀、『鳳凰編』の東大寺大仏・仏像について、そして『異形編』の百鬼夜行絵巻など。ギュッと詰まった日本文化のエッセンスを是非、読んでみてください。
皇室ゆかりの見事な屏風や襖絵などの日本美術たちを現在都内で見ることが出来ます。教科書にも載っているような美術品たち、これだけの日本美術をまとめて見ることが出来るなんてとても贅沢。
美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1942
東京国立博物館本館
2019/5/3-6/2
上記で紹介しているのは私が実際に読んだもので、歴史上のストーリーを漫画の作品として完結させ、名作と評判の高い漫画たちです。解説を漫画で書いている説明書系の本、「マンガで分かる……」と言う様なタイプの本は外してあります(これはこれでオススメのものありますが)。
ただ、これらは漫画ですのでそれぞれの作品には解釈違い、省略、演出している点などもあります。基本の流れを抑えるためのものとして読んでみてください。
美術関連の漫画と言えば、いまトピアート部 Takさんが美術を題材にした漫画の紹介コラムを書いています。
アノ天才が主役!?今すぐ読みたいアート漫画10選
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6670.html
漫画で気になるアーティストを知るのもイイですね。こちらも併せて!
そんな方に、まず漫画で日本美術に触れてみることをオススメします。私もこれらの漫画で読んだ後に美術館に行って「ああ、これがそうなんだ!」と理解を深めたこともあります。そんな日本美術を身近に感じることができるような漫画を幾つかご紹介します。
源氏物語絵巻「隆能源氏 竹河二」
Wikipedia「源氏物語絵巻」より
まずは絵画美術の中から「源氏物語」。私は今まで、源氏物語の絵は展覧会などでもほとんど観ずに前を通り過ぎるだけ。ところが源氏物語のストーリーを知ると「ああ、あのシーンだ!」と判るようになり、面白くなってくるのです。
『源氏物語 あさきゆめみし』大和和紀 (著)
源氏物語 あさきゆめみし 完全版(1) (Kissコミックス)
でも、あんなに長い源氏物語全部読むのは大変。そう、私はこの『源氏物語 あさきゆめみし』で源氏物語を知りました。光源氏の数多くの女性遍歴を漫画で楽しむことが出来ます。絵は少女マンガ風ではありますが、抵抗なく源氏物語を読破できます。
更にお勧め、併せて観たいのは、これから始まる根津美術館の恒例、初心者でもわかる日本美術の展覧会。今年のテーマは絵画。源氏物語の作品も出るようです。日本美術における絵の見方などわかりやすく解説あり。
楽焼白片身変茶碗 銘「不二山」所蔵 サンリツ服部美術館(長野県諏訪市)
Wikipedia「楽焼白片身変茶碗」より
次は茶碗をはじめとする茶道具。こちらも難しいと思う人も多いのではないでしょうか?茶道具と言っても時代によって流行などもありますし、ほかの文化との関係性も出てきます。そして安土桃山時代から江戸時代にかけて茶道は武家社会において政治の道具として使われ広まります。
『へうげもの』山田芳裕 (著)
へうげもの(1) (モーニングコミックス)
この時代背景などが良く判るのが千利休の弟子である古田織部の人生を描いた『へうげもの』。この漫画には千利休や小堀遠州などの茶人以外にも本阿弥光悦、俵屋宗達、岩佐又兵衛、長谷川等伯などの戦国時代の文化人達が登場しますので茶道以外の文化についても知ることが出来ます。
現在、茶道具などの日本美術を色々な視点で見るという、日本美術が苦手な人でも楽しむことが出来る展覧会がサントリー美術館で開催されています。体感コースとわかりやすい解説コースの2つに分かれて、楽しい展覧会でした。
nendo × Suntory Museum of Art
information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_2/
サントリー美術館
2019/4/27-6/2
木造釈迦如来坐像(室生寺弥勒堂)
Wikipedia「釈迦如来」より
次に仏像。こちらはちょっと選択が難しいです。日本において仏教は宗派の数も多く、かなり幅の広い世界になっています。漫画としては実在の仏師などを元にしたものも幾つか出ていますが、どうしても仏教全体にとってはそれらの話は枝葉的なものになってしまいます。
『ブッダ』手塚治虫 (著)
ブッダ 手塚治虫文庫全集(1)
そこで仏教の教えを判りやすく読むことのできる漫画として 手塚治虫『ブッダ』を、オススメしてみたいと思います。手塚治虫本人も言っているように、かなり脚色されているし、仏典に載っていない人物も登場します。仏像と言うよりも仏教全般についてになりますが、基本的な考え方はこの本で伝わるとおもいます。
現在公開されている都内の展覧会で仏像を見ることが出来るのはこちら。密教系の素晴らしい仏像による立体曼荼羅を見ることが出来ます。とにかく迫力の仏像たち。曼荼羅や仏像における階層などもわかりやすく解説。
国際日本文化研究センター蔵『百鬼夜行絵巻』(部分)から抜粋
Wikipedia「百鬼夜行絵巻」より
そしてもう一つ、日本美術を理解する漫画として同じ手塚治虫『火の鳥』、こちらもオススメしたいです。巻ごとに未来と過去が行ったり来たりするこの話、過去編のなかには様々な日本美術のエッセンスが詰まっています。
『火の鳥』手塚治虫 (著)
火の鳥 手塚治虫文庫全集(1)
この火の鳥の『黎明編』に出てくるヤマタイ国、『ヤマト編』では古事記・日本書紀、『鳳凰編』の東大寺大仏・仏像について、そして『異形編』の百鬼夜行絵巻など。ギュッと詰まった日本文化のエッセンスを是非、読んでみてください。
皇室ゆかりの見事な屏風や襖絵などの日本美術たちを現在都内で見ることが出来ます。教科書にも載っているような美術品たち、これだけの日本美術をまとめて見ることが出来るなんてとても贅沢。
美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1942
東京国立博物館本館
2019/5/3-6/2
上記で紹介しているのは私が実際に読んだもので、歴史上のストーリーを漫画の作品として完結させ、名作と評判の高い漫画たちです。解説を漫画で書いている説明書系の本、「マンガで分かる……」と言う様なタイプの本は外してあります(これはこれでオススメのものありますが)。
ただ、これらは漫画ですのでそれぞれの作品には解釈違い、省略、演出している点などもあります。基本の流れを抑えるためのものとして読んでみてください。
美術関連の漫画と言えば、いまトピアート部 Takさんが美術を題材にした漫画の紹介コラムを書いています。
アノ天才が主役!?今すぐ読みたいアート漫画10選
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6670.html
漫画で気になるアーティストを知るのもイイですね。こちらも併せて!