コレもミュシャなの?ちがうの?どっちなの?「みんなのミュシャ展」で知る、影響力のスゴさ(2/3)

2019/3/19 17:15 Tak(タケ) Tak(タケ)



ジョー・ケサダ 『ニンジャック』(Vol. 1,No3) 1994年 コミック誌 Artwork by Joe Quesada. NINJAK is and ©TM 2018 Valiant Entertainment LLC.All rights reserved.www.valiantentertainment.com

ジョー・ケサダ「ミュシャは私が直接影響を受けたと言えるたった一人のアーティスト。そして、その影響は私の作品の中に簡単に見てとることができるだろう」


アルフォンス・ミュシャ 『オー・カルティエ・ラタン』 誌・表紙 (創刊6周年記念特別号)1898年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵 ©Mucha Trust 2019

滅茶苦茶正直にミュシャの影響を告白していますね。上記2点の作品を比較するまでもなく、その影響は明らかです。(もう少しオリジナリティー出してもいいような気もしますけどね)

もうひとりご紹介しましょう。


テリー・ムーア 『ストレインジャーズ・イン・パラダイス』(Vol.3,No52)1996年 コミック誌 Cover art for Strangers in Paradise Volume 3 #52 by Terry Moore

テリー・ムーア「ミュシャが生きていた時代から100年経っても、私たちが作品を楽しみ、学んでいるということは、彼が今なお、もっとも影響力のあるアーティストだと考えられているということだ」


アルフォンス・ミュシャ 《舞踏―連作〈四芸術〉より》 1898年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵 ©Mucha Trust 2019

もうこうなると、パッと見たところ全てがミュシャ作品に見えてしまいますよね。影響受けすぎですって!とりわけアメリカでは1985年以降の「モダン・エイジ」世代のコミック作家にその影響が色濃く出ているそうです。

これらは急に現れたわけではなく、その素地はその前からしっかりと作られていたのでした。ロックミュージシャンのレコードのジャケットなどのアート・ワークに於いて。


ジャケット・デザイン:トム・ウィルクス「フラワーズ」(ザ・ローリング・ストーンズ/ロンドン・レコード)1967年 LPレコード・ジャケット “Flowers” by The Rolling Stones. Original Photography by Guy Webster.Original Graphics by Tom Wilkes. Courtesy of ABKCO Music & Records,Inc. used by Permission. All rights reserved.


ジャケット・デザイン:ボブ・マス「ザ・コレクターズ」(ワーナー・ブラザース=セヴン・アーツ・レコード)1968年 LPレコード・ジャケットRhino Entertainment Company, a Warner Music Group Company


ジャケット・デザイン:クレイグ・ブラウン「ジプシー」(メトロメディア・レコード)1970年 LPレコード・ジャケット James Walsh and Jan Rangel / Gypsy Family Productions

折しも「Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展」が世界巡回している、ストーンズ等の60年代から70年代にかけてのロックのアルバムやアート・ワークに競うようにしてミュシャの作品が使われました。

1963年にロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館でミュシャの回顧展が開催され、再評価の機運が盛り上がっていたのに敏感に反応したのが、当時の若者たちでした。

これまで紹介してきた以外にも、ありとあらゆるジャンルにおいてミュシャは大きな影響を与えており、今もそれは現在進行形で進んでいます。

そんなアルフォンス・ミュシャと、ミュシャから影響をうけた様々な作品を同時に展示する展覧会が開催されます。

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