大ヒットから20年…世紀末の日本を狂わせた、驚がくの「だんご」ブームとは【平成レトロ】(2/2)

2019/3/8 12:00 山下メロ 山下メロ


■ だんごモチーフ商品

「だんご3兄弟」は天下のNHKと佐藤雅彦さんのキャラクターですから、ちゃんと許可を受けないと商品は作れませんし、なかなか許可も出ないでしょう。だからといって海賊版を流通させるのはリスクが大きく、あまり侵害してない程度のものであれ、やはり売られるのは観光地の土産店など、独自のルートを持っている場所がメインでした。そのため、ファンシー絵みやげを探して観光地の売店などを調査していると、何かと出会うのが「なぜか、だんごのキャラクター」なのです。決して「だんご3兄弟」とは言わないところが重要ですね。作られた数が多すぎるので、ほんの一部ではありますが紹介していきましょう。


まず、悪い例がこちら。イラストはそのまんまです。見たこともないキャラクターがいるようにも見えますが、3兄弟のあこがれのさくらもちよさんです。そのままのイラストを使って、あくまで「だんご3兄弟」とは言わず「だんご」とだけ書いています。



こちらは『おかあさんといっしょ』のロゴまでパロディにしていて、しかもクオリティが高い。「だんご」と「だんな」をかけていたり、ヤンキーにロックにと分かりやすくパロディにしています。ただ、ここまでの2つは、本家をそのままパクりました感がありますが、やはり重要なのは、単なる「だんごキャラ」のものを売り出したパターンですね。



こちら、左はわりと本家に似ていますが、右はちょっと違うテイストで微妙に似ていませんね。しかしこの時代においては4つ刺さった串団子が主流なのに、あえて「3つ並んだ団子」というのは、完全に「だんご3兄弟」なのですが……。


これなんかもう手描きなので1個1個顔が違うというユルさ……


「だんごさんきょうだい」ではなく「だんごさん」のシール。色々自由すぎる。


これなんかもう、わけがわかりませんが、1999年にはガングロギャルや、それに対する美白なんかが出てきて、そこと結びついていたことがよく分かりますね。ここまで色々なパターンがあるのは、まさに「だんご3兄弟」が社会現象だったという証拠でしょう。是非、みなさんも身近にある「だんごグッズ」が「だんご3兄弟」の影響下にあるかどうか検証してみましょう。

では、最後にこちらをご覧ください。



「長男・次男・三男」でなく
「おにいちゃん・ぼく・おとうと」だからセーフ!?



では、また次回。






■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。

(文と写真:山下メロ)



《番組出演のお知らせ》

3月11日(月)よる10時から放送されるフジテレビ系列『新説!所JAPAN』に出演いたします。

【MC】
所ジョージ

【アシスタント】
谷元星奈(関西テレビアナウンサー)

【ゲスト】
田中美佐子
田中直樹(ココリコ)
パックン(パックンマックン)

【JAPANツウ(専門家)】
山下メロ

【VTR解説】
磯田道史(歴史学者)

フジテレビ系列『新説!所JAPAN』


《番組のお知らせ》

3月8日(金)24時40分から放送される読売テレビ『マヨなか笑人』にファンシー絵みやげが登場します。
出演:
ブラックマヨネーズ

ゲスト:
藤崎マーケット/学天即/さや香/馬と魚/ラニーノーズ

読売テレビ『ブラックマヨネーズのマヨなか笑人』


《講座のお知らせ》

4月11日(木)娯楽百貨大学にて、平成レトロとファンシー絵みやげについて講義形式で振り返る講座を行います。

娯楽百貨大学オープンカレッジ4月期


《トークイベントのお知らせ》

4月20日(土)新宿ロックカフェロフトにて、アーバンギャルドの松永天馬さんと平成レトロについて語ります。

「話す、松永天馬」〜第二夜:話す、平成レトロ〜


《書籍発売のお知らせ》
ファンシー絵みやげ初のガイドブック『ファンシー絵みやげ大百科 忘れられたバブル時代の観光地みやげ』(山下メロ・著/イースト・プレス刊)を全国の書店で発売しています。


『ファンシー絵みやげ大百科 忘れられたバブル時代の観光地みやげ』(山下メロ・著)




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