今年の干支、レアすぎて全然見つからない!家畜化したアレが都会に出没?【ファンシー絵みやげ】
さて、正月といえば一休の狂歌ですので、こちらも紹介しておきましょう。
木製ピンチ。右下にある一里塚は、一休の『門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし』という狂歌を元にしているようです。しかし、門松でなく単なる一里塚ですねこれ……。
かつての日本には誕生日という概念がなく、生まれた年が1歳で、正月にみんなが1つ歳をとるという「数え年」でした。なので、めでたい正月を迎えても門松を見ると、冥土(死)に近づいている旅程を感じる一里塚(昔街道に4kmごとにあった目印)のようなものなので複雑……というような意味ですね。この時代には誕生星座なんていうプロフィールは存在しなかったわけです。
ちなみにセリフの「ポンとけりゃニャンとなく」は、猫を紙袋に押し込んで毬のかわりに蹴るというとんでもないわらべ歌「山寺の和尚さん」から。動物虐待ですね。わらべ歌ですので、タイトルや歌詞は地域によって異なります。このイラストは一休というより、色んな坊さんの意匠を詰め込んだもののようですね。裏側も見てみましょう。
裏側は後ろ姿というのはよくある手法です。そして文字もなぜか鏡文字にするというのもよくある手法で、セリフが反転しているのは良いのですが、問題は「一里塚」の文字まで反転しているところです。後ろ側から一里塚を見たわけですから、裏には普通に「一里塚」と書かれていると思うのですが……。スケルトン仕様の塚なのでしょうか。
では最後にこちらをご覧ください。
はい、かわいいブタさんの星型アクリルキーチェーンですね。何やら上に白地で日付が書かれていますが、他の文字がなぜか地の色と同じ緑で読めません。傾けてみましょう。
!!!!!!!!!!!!
ブタ座!!!!
まさかの誕生星座のプロフィールもの……しかし聞いたことありません。
そして「太った夜の小心者」……
意味がまったく分かりません。
では、また次回。
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(文と写真:山下メロ)
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ROADSIDERS' weekly 2018年03月14日 配信号 帰ってきたファンシー絵みやげ(写真・文:イチゴドロボウ)
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