ピカソの影響も?世界遺産を手がけた建築家、ル・コルビュジエの意外な原点とは(2/2)

2018/12/4 12:00 Tak(タケ) Tak(タケ)


二足の草鞋を履くではありませんが、1922年には従弟のピエール・ジャンヌレと共同の事務所を構え、建築家として活動も始めています。

当時コルビュジエが記した最初の著書である『建築をめざして』(1923年)には、「家は住むための機械である」という有名な言葉があります。

彼が求めたのは絵画や彫刻作品と一体となった建築でした。ピュリスム時代を経たからこそ、コルビュジエ の考えは、絵画から建築、都市計画、インテリア・デザインまで多岐に渡る発展を遂げたのです。

「建築こそ最も高貴な芸術である」という彼の信念をまさに時代が求めかのように、次々と後の代表作となる建築を手がけて行きました。

「ラ・ロシュ=ジャンヌレ邸」は若いスイス人銀行家ラウル・ラ・ロシュのキュビズムとピュリスムに特化した美術コレクションを飾るために建てられた邸宅です。

コルビジエは絵画・彫刻の収集も協力し、竣工後はそれらの配置も手掛けました。まさに総合芸術家です。


ル・コルビュジエ「サヴォワ邸」(1928-31年)

知っているようで知らない大建築家コルビジエについて絵画や彫刻、出版物、映像など多角的に紹介する展覧会が2019年2月19日から始まります。

勿論、会場となるのは国立西洋美術館です。展覧会タイトルは「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ――ピュリスムの時代」です。


国立西洋美術館

コルビジエが作り出した世界遺産建築で開催される展覧会。彼自身もこんな晴れ晴れしい日が来るとは西美建築の依頼が来たときは夢にも思わなかったでしょう。

ル・コルビュジエと国立西洋美術館のまさに夢の競演です!




国立西洋美術館開館60周年記念 
ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代

会期:2019年2月19日(火) ~ 5月19日(日)
会場:国立西洋美術館 本館
http://www.nmwa.go.jp/ 
開館時間:午前9時30分~午後5時30分(毎週金曜日・土曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(ただし3月25日、4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
主催:国立西洋美術館、ル・コルビュジエ財団、東京新聞、NHK
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、在日スイス大使館、公益社団法人日本建築家協会、一般社団法人日本建築学会
協賛:大日本印刷
協力:フランス文化財センター、日本航空、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン、Echelle-1、八十島プロシード、西洋美術振興財団
公式サイト:https://lecorbusier2019.jp/
 



『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』(字幕版)


1920年代、のちの近代建築の巨匠ル・コルビュジエは、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイに出会う。彼女は恋人である建築家兼、評論家のジャン・バドヴィッチとコンビを組み、建築デビュー作である海辺のヴィラ〈E.1027〉を手掛けていた。陽光煌めく南フランスのカップ・マルタンに完成したその家はル・コルビュジエが提唱してきた「近代建築の5原則」を具現化し、モダニズムの記念碑といえる完成度の高い傑作として、生みだされた。当初はアイリーンに惹かれ絶賛していたル・コルビュジエだが、称賛の想いは徐々に嫉妬へと変化していく…。


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