ピカソの影響も?世界遺産を手がけた建築家、ル・コルビュジエの意外な原点とは(1/2)

2018/12/4 12:00 Tak(タケ) Tak(タケ)


「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産として世界文化遺産に登録されている上野にある国立西洋美術館。



ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887年10月6日 - 1965年8月27日)はスイスで生まれ、フランスで主に活躍した建築家。フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」のひとりに数えられています。

世界遺産にも指定されちゃうくらいの大建築家ル・コルビュジエですが、実ははじめから建築家を目指していたわけではないことご存じだったでしょうか。

しかも「ル・コルビュジエ」という名前自体、1920年からペンネームとして使用しているもので、シャルル=エドゥアール・ジャヌレが本名です。

建築家として活躍する以前に彼はまず画家として、第一次世界大戦が終わったばかりのパリで、近代の精神を表現すべく絵筆をとり積極的に絵画を描きました。

大建築家ル・コルビュジエが若き日に描いた作品であると知っていると「建築家としての並外れた才能の萌芽を観て取れる」なんてコメントできそうですが、逆に全く知らないとなんちゃってキュビズム作品にしか見えません。

親友である画家のアメデ・オザンファンと共にピュリスム(純粋主義)運動を提唱し、芸術にも普遍的な規則がなくてはならないと主張し絵画制作に共にあたりました。

建築家「ル・コルビュジエ」のスタートは、ピュリスムの画家「ジャンヌレ」だったのです。


フェルナン・レジェ《サイフォン》1924年 油彩、カンヴァス 64.8×45.7cm 
バッファロー、オルブライト=ノックス美術館 
Collection Albright-Knox Art Gallery, Buffalo, New York. Gift of Mr. and Mrs. Gordon Bunshaft, 1977 (1977:29) Image courtesy of the Albright-Knox Art Gallery


同時代パリを舞台に活躍したピカソ、ブラック、レジェらのキュビズムにも大きく影響を受けたのは間違いないことで、コルビジェ自身も彫刻作品を手がけていたりします。

    次へ

  1. 1
  2. 2